博士の愛した数式 (講談社コミックスDX (2130巻))
最近映画化された小説のマンガです。博士のとぼけた様子やルート君のかわいさがうまく表現されていると思います。
博士は天才なのに記憶が80分しかもたない。
そんな切なく、悲しい話なのにとても明るくあったかく描かれた作品だと思います。
こんな作品に出会いたかったっっ
お気に入りの一冊です。
MIYAKO バレリーナ吉田都ものがたり (ETOILE COMICS)
小さい頃、バレエをしたくてもできなかった一人です。
今は二人の子供も授かって、上は小1の男の子、下は3歳の女の子で、なぜか、息子が今、バレエを始めています。娘も3歳になって、息子がバレエをしているのを見ているので、自分もバレエを習う気満々です(笑)
バレエダンサーになってもらいたいと心のどこかでは思っている反面、収入も安定しない厳しい世界。でも、この吉田都さんの半生のまんがを読んで、最後は「バレエが好き!」ということが一番大事なんだなあと、感動しました。
とてもかわいらしい絵で、内容もすごくわかりやすく、でもちゃんと都さんの気持ちが伝わってきます。バレエをしている小中学生はこの漫画も読んで、バレリーナにますますあこがれるのでしょうね。
きっと、息子も娘もいつかこの吉田都さんのまんがを手にとる時がくるでしょう。
バレエを好きで楽しんで踊ってもらいたいです。
銀座タンポポ保育園 (Be・Loveコミックス)
全体的な内容はそれなりにいいと思います。このような環境の人もいる……という面でも勉強になるはずかと!!
こどもも可愛く描かれています。
ただ2話目からでてくる女の子の幼さを表すためかの言葉使いがとても読みにくくイライラしてきちゃいました……
もう少し抑えるか、読みやすい幼い言葉でもよかったのでは……
くじらの親子 (1) (講談社漫画文庫 (く3-1))
簡単に言うと「赤ちゃんと僕」(「花とゆめ」連載)の少女版。
お母さんが2番目の子供が小さいうちに亡くなって、お父さんと3人家族という設定は同じ。
ただ「赤ちゃんと僕」は男の子の兄弟なのに対して、こちらは女の子の姉妹になるというのが大きな違い。
内容も女の子が主人公のため、「赤ちゃんと僕」よりも断然、恋愛の要素が強くなっている。
小学5年生からスタートした主人公の「杏」がラストでは母親になるまで、掲載雑誌がマイナーな「デザート」だったため全10巻で非常に展開が速いのだが、テンポよく話は進む。
意外だったのは杏が結ばれた相手。
普通の少女漫画なら「初恋の相手とくっ付いてめでたしめでたし」という安易なラストで終わるだろうが、この漫画はラスト付近では現実的な展開になり、普通なら報われないまま終わるであろう当初の杏の初恋の男のライバルに軍配が上がった。
初対面では杏は好意的どころか「苦手」「怖い」とすら思っていた関川と中学校の3年間を通して少しずつ心を通わせていくという展開がいいと思います。
杏に彼氏(鮎川)がいることを知りながらも杏以外の女の子のことを考えられない関川の純情。
人の恋には敏感でも自分のこととなると鈍感で、関川の想いに気が付かない杏を見守り続けるうちに、気持ちには気付いてもらえないものの「苦手意識」と誤解からくる「恐怖」は消えて、安心して手を繋げるまでになった。このときに誤解が解けていたことと成就はしなかったものの「告白」で杏に気持ちを伝えていたことが、後の再会時杏の気持ちを変えることに繋がった。
杏にとっては「初恋の相手」でも杏に寂しい思いばかりさせる鮎川が杏の目の前から去ったとき、ずっと自分のことを大切に思い続けていてくれる男性がいたことに気付いた杏。
自分を愛してくれる人の気持ちに応えるのも「ひとつの恋のかたち」なのだと思えるようになったとき、自分を幸せにしてくれる「ただ1人の人」と出会えていたことを意識できるようになった。
不器用な表現しか出来なかった関川も再会後はストレートな気持ちを杏に伝えられるようになったところが成長の証。
関川は「一生大切にする」と誓って杏を妻としたことだろう。
杏は鮎川とは身体の結び付きはなかったので、関川が「初めてにして唯一の男性」となる。
昔、鮎川との肉体関係を「恥ずかしくて想像もできない」と言っていた杏が同じく初めてであったであろう関川と結ばれ、愛を知っていったのだ。
数年後に生まれた2人の間の子供は女の子か?。髪の毛の色から関川の血を引いていることが判る。
亡くなった杏の母親にとっては孫にあたるその子に「くじらの親子」の話をしてあげる杏。
両親の駆け落ちによる結婚から数十年の年月を経て世代を超えて語り継がれていく想いがそこにはあった。
妹・桃の「小さなお母さん」であった杏が本当の母親になるまでのお話。
鮎川を好きになると同時に関川のことも好きになっていた。
2人の男の子に同時に恋をしていたことを後年の杏は懐かしく思い出せるようになっただろう。
きっと娘にお父さんとの恋物語を語ってあげるのでしょうね。
杏は意識していないのだが、実は杏が好きになった2人の男性、鮎川と関川はいずれもお父さんに似ているのだ。
外見が似ているのは「鮎川」のほうだが、内面的に似ているのは実は「関川」のほう。
杏の母・真弓も当初はぶっきらぼうでしゃべらないお父さんを怖がっていたのだが、やがて少しずつ
「本当は怖い人ではない。優しい人なんだ」と知って好きになっていった。
その点でも、出会った当初は関川が怖くて震えていた杏が少しずつ普通に話せるようになり、やがて手を繋いだとき
「自分の心を覆っていた不安が淡雪のように溶けて安心できるようになった」ことと共通する。
これらが無理矢理な印象は受けず、かえって杏を1番幸せにしてくれる相手だったのだと読者に気付かせてくれたと思い、ベストエンドかと。
欲を言えばラストシーンに子供の父親と杏の妹である「桃」も登場させてほしかったことか。
杏の両親が出会い、愛し合って結ばれるまでを描いた番外編の感動は同じ題材で描かれた「赤ちゃんと僕」のそれよりも数段上だと思う。
とにかく作品自体が作者の最高傑作。