青春
序盤は努力と挫折を繰り返した幼少時代です。
スパルタ水泳教室。高校中退。ボクシング挫折。KO勝ちのデビュー戦。KO敗けの小比類巻戦。一流選手達との邂逅。全日本キック王座獲得。
中盤では、更なる飛躍を求めたフリー宣言からK-1王者に輝くまでの心の叫びが記されております。
今でこそキック界にはフリーの選手・フリーのジムが沢山ありますが、魔裟斗がフリーになった当時(=K-1 WORLD MAXが始動する直前)はフリーになる事はそのまま業界全体に弓を引くような行為でした。
干されて練習場所すらままならない日々から日本人初のK-1王者に輝いた時の達成感は努力と不屈の賜物です。
世間の注目をヘビー級から中量級へ向けさせた事と、連盟・協会所属ジムよりもフリーのジムが増えてきている現状は、魔裟斗が格闘技界全体にもたらした大きな革命です。
終盤では、矢沢心さんとの出会いから結婚を経て現在に至るまで、どれだけ心の支えになってくれたか描かれておりおり、奥さんに対する感謝の念が窺えます。
常に強気でビッグマウスだった格闘家『魔裟斗』に隠れた、等身大の青年『小林雅人』の苦悩の日々や周囲で支えてくれた人々とのエピソード等満載です。
唐招提寺1200年の謎 天平を駆けぬけた男と女たち [DVD]
唐招提寺を建立する為に鑑真とその弟子が苦闘していく姿を描いた
ドラマ仕立てのドキュメンタリー。
鑑真といえば、教科書にも出てくる中国の高僧。
だが、日本にたどり着いた後の事は意外と知られていない。
日本の格付けとして鑑真の高名は利用された後
放置に等しい扱いを受け、その活動は困難かつ悲惨を極める。
愚かな日本の政治家の政局に翻弄されながらも、
必死に仏の教えを広める為に戦い抜き、弟子如宝に後事を託す。
ドキュメンタリーとドラマが交互に繰り返す構成になっており
「お、ドラマが盛り上がってきた〜」と思っている所で
脳天気なナレーションのドキュメンタリーが始まったりするので、少々きついw
とは言え、ドラマパートは素晴らしい出来です。
鑑真(中村嘉葎雄)の悟りきった捨て身。
その師の意を受け継ぎ 唐招提寺を建てるために情熱を傾ける如宝(中村獅堂)。
友、如宝の友情の為に出世を捨てて協力する仲麻呂の息子、藤原刷雄(山本耕史)。
国づくりの為に自らの巨悪を認識しても突き進む藤原仲麻呂(永島敏行)と
道鏡(魔裟斗)に惑う、孤独な孝謙=称徳天皇(南野洋子)。
映画の様な臨調感で素晴らしく、きちんとしたドラマでないのが勿体無かった!!