きらきらひかる (新潮文庫)
主人公である精神不安定のアル中妻とホモの夫との結婚生活の話なのだが
設定とはかけ離れて爽やかな読み心地。なんとなくきれいで優しくて頼りなく
実態のない薄っぺらいような感じが心地いい。
夫の父親が主人公に向かって、息子との結婚生活なんて
「水を抱くような感じだろう」
と、言うのだが正にこの小説の全てがそこに集約されている気がする。
彼らはこれといった解決も結末も迎える事はなくまた同じ結婚生活をはぐくんでいく。
でもその終わりはけして不完全ではないのだ。
もう何度も読んでいるのだがまた何度も読みたくなる。
なんとなくまた読んでしまう。そんな感じです。
抱擁、あるいはライスには塩を
まず、ストーリーが時系列に並んでないことに驚き! 主人公が章ごとによって違うことに驚き! それぞれに魅力的な主人公たちがぼそぼそ語っていきます。この本にもまた江國さん独特の空気感が流れています。最後から2章目にびっくりがあります。今までの江國さんの作品の中で一番好きかもしれません。