ラスト・ワルツ(特別編) [DVD]
公開当時は劇場で観てコンサートがフルで写っていなくてスタジオでのセッションやインタビュー(あまり為にならない)が挿入されていて散漫な記憶しかなかった。今回改めて観ると監督マーティン・スコッセシの意図が少し理解できました。後年ロビー・ロバートソンへの批判も多いけれど、画面でみるとバンドを維持するのが限界に達したという意味は人間関係ではなくて音楽的なものだったのだと思いました。行くところまで行ってしまったものしか味わえない空しさだったのでしょう。
本編は画面も音も綺麗になって迫力あるものでした。照明も凝っていて映画っぽくなっていたのを別添音声解説で知ることができて良かったです。映画監督って大変な才能が無いとできませんね。あと、特典映像で初めて観る事の出来た「ジャム2」でニール・ヤングが主体になって引っ張っている姿が微笑ましかった。彼の暖かい人間性を感じてしまった。に比べるとクラプトンってあっさりした人なんだなぁと思いました。音楽映画では他に抜きん出ている傑作ですね。これだけの歴史的なイベントだったのですから、当然より完全なフルバージョンで後年発売されるでしょう、楽しみです。
ラスト・ワルツ 特別編 [DVD]
1976年、サンフランシスコのウィンターランドで開かれたロビー・ロバートスン率いるザ・バンド解散コンサートのドキュメントフィルム。制作はマーティン・スコセッシ監督。ロバートスンの冒頭の言葉「始まりの終わり、終わりの始まり」はラングスト・ヒューズの詩を借りたものだろう。ロックはブルースやカントリー、ブルーグラスなどがメンフィスのリズムと融合してできた。ティンパン・アレーとは程遠いところから始まり、地を這い大衆の心を捉えた。しかしやがて強大な資本に巻き込まれてトーテム・ボールのてっぺんにまで上ってしまったのである。「ロード(ツアー)は学校だったけど、多くの人たちが死んでいった。ハンク・ウィリアムズ、オーティス・レディング、ジャニス・ジョプリン、ジミ・ヘンドリックス、エルヴィス…。こんな生活は続けられない」・・それがファイナルコンサートへの決意だった。ヴァン・モリスン、エリック・クラプトン、ニール・ヤング、ポール・バターフィールドなどなど豪華なゲストを交えてコンサートは展開する。そしてそれはボブ・ディランの "I Shall Be Released" で最高潮に達する。しかし私はなぜかリック・ダンコ、レヴォン・ヘルムと一緒に "Evangeline" を歌うエミルー・ハリスの姿が瞼に残って忘れられない。
Moondance
ヴァンのソロ3作目にして、もっと親しみやすい名盤です。
やや感情がオーバーフローしがちな(正に熱唱!!)ヴァン・モリソンですが、この時期はボーカルもメリハリが効きとても聞き易い。静かに唸る感じ。
前作(これも激名盤)よりも曲の造りがシンプルかつPOPで私にとってまさに丁度いい塩梅。名盤たる所以はバックも渋さもさることながら、何より曲のグルーブ感でしょう。
『Crazzy Love』、『Caravan』のジェシ・デイビスやジム・ホーンのカバーバージョンも探してみてください。奥の細道への入り口ですね。
ジーニアス・ラヴ ~永遠の愛
晩年低迷していた時期もあったRayですが、グラミー賞総なめ、アカデミーまでジェイミーフォックスが獲っちゃって、亡くなった後、彼の功績を讃えるような大変なことになりました、という訳で遅まきながら私もこの話題の作品を買いました。時に“よれちゃう”Ray最晩年の歌声ですが、ノラ・ジョーンズ、エルトン・ジョンらのパートナーのRayへのりスペクとが伝わってくるような歌声と、力強さとか、色んなものを超えてしまった、味、出しまくりのRayの歌声にノックアウトされました。本当に多くの作品を残したRayですが、明らかに名作、だと思います。いとしのエリーのボーナストラック云々というご意見も有りましたが、私は、湯川れいこさん他の愛情溢れる解説や、英文のオリジナルの曲解説の翻訳、歌詞の翻訳など、この作品を理解する上で十分役に立ったので、日本版でよかったです。天国でいつまでも歌ってください。。。