滝沢演舞城 [DVD]
舞台を見に行った人が回顧するには良いかもしれません。
しかし、早替えや水芸など、あまりDVDで見て盛り上がるものでもなく、
また歴史モノ舞台としても、長い歴史の中での数ある時代から
有名なシーンをつなぎ合わせた感じで、ストーリーとして成り立っていません。
正直なところ、ショータイムがもっと長ければ少しはマシかなと思います。
GANTZ PERFECT ANSWER [Blu-ray]
長年原作ファンの自分と原作未読で二宮ファンの彼女と映画館で鑑賞→その後に本商品を彼女が購入しました。二人の感想をまとめると
【良かった点】
主役である二宮と吉高が割と原作のイメージに近い、西君が似てる、卒業組の小さい方の女の子が可愛い。
アクションシーン全般、特に電車。
エロ、グロがほぼ無いため、それらが苦手な人も安心してみれる。家族等と一緒に鑑賞しても気まずくならない。
メイン二人の関係性が丁寧に描かれ感動できるシーンもある。恋愛要素がそこまでクドくない。
単体映画としてみたらこの後編でよくまとまっている。
【残念な点】
制作費の関係かいろんな星人が出たpart1に比べ後編の敵は人間(の姿をした星人)ばかり。
台詞が棒読みの人がいる。
映画オリジナルキャラの山田孝之はいらない。
【原作ファンへの注意点】
加藤役のなんかこれじゃない臭、レイカがおばさんすぎる。
主役の二宮を食わないよう、和泉、超能力の人、風大左衛門などの個性的な脇役は全カット。
原作でいうと小島多惠編までなので一部の山場である池袋でのオニ星人戦はない。
こんな感じでしょうか。原作ファンの自分は消化不慮気味、未読の彼女は大絶賛でした。二宮ファンの女性は納得の出来みたいです。
Edge
田中信正は日本におけるフリージャズの第一人者である佐藤允彦に師事した経歴を持ち、
その奇抜なプレイのみならず独特の演奏フォームからも極めて非凡かつ
「変態的」なイメージを抱かせるピアニストである。
私は2年前の大晦日に期せずして聴いた彼の「A列車で行こう」を決して忘れない。
ベテランドラマーの村上寛を振り落とさんばかりに白熱する彼のピアノソロは
「A列車」というよりも「暴走特急」と呼ぶのが相応しく、その音の洪水に呑み込まれた私は
終演後、その凄まじい音楽が感性の域値を超越して放心状態に陥った。
その切れ味鋭いインプロヴァイズは脳みそに「天才」の2文字を刻ませるには充分なものであった。
そして本作「Edge」である。
田中信正kartellというトリオ名義では2作目でありデビュー作から実に6年越しに発表された作品となる。
全て彼のオリジナル曲で構成されているがその水準はおしなべて高い。
その楽曲はどれも独特のポリリズムを含んでいるのが特徴的で
意外なほど(?!)均整のとれたメロディーで構成されているのが印象的である。
随所に入るフリージャズ的アプローチも彼ならでは。
しかしながら結局CD媒体ではライブにおける彼の「暴走」を目撃したときのような
カタルシスを得られないのが事実である。名実ともに日本のトップに君臨している
山下洋輔とのピアノ対決の際、名ドラマー森山威男をして「全く負けていない」とまで言わしめた
彼の高いポテンシャルの片鱗を覗かせるのは、本作においてはタイトル曲の「Edge」に限られる。
それ故に本作の魅力は前衛的かつ先鋭的なピアノトリオのサウンドスケープに尽きると断言して良い。
ここでの彼は明らかに総体的なトリオ表現の方に注力しており、その完成度は前作よりも際立っている。
寧ろ彼が脇役として参加している森山威男の諸作品の方が奔放な顔を見せているのが面白い。
図南の翼 十二国記 (講談社X文庫―ホワイトハート)
初めはこの分厚さに躊躇する方もいるかもしれないが、むしろこれだけ素晴らしい作品がこれほど読めることに感謝した方がいい。
主人公は珠晶、荒れている恭国の王になるべく蓬山を目指すがなんと12歳の少女。まだ世の中を知らない金持ちの娘の道楽だ、と周りの目には映る。実際わがままで生意気に見えるかもしれない、私も途中読みながら共感出来ずにいた。そんな彼女の前に立ちはだかるのは厳しく汚い現実だった。こんな子が王になれるはずない、皆そう思うだろう。しかし、珠晶はへこたれない。これは彼女が麒麟に出会うまでのけして楽とは言えない苦い話だ。
終盤に差し掛かるにつれて彼女の考えがぽつりぽつりと語られ、いとおしくならずにはいられなくなる。小さい体でこれだけ頑張ろうとしている彼女には尊敬の念さえ抱く。読み終わる頃にはこの少女が大好きになっているだろう。
物語を超えて何か生きる意味や大切なことを教えてくれる、心が温かくなれる作品だ。
花咲ける孤独
この本は1990年から1992年にかけてガロに連載されていたものが中心となっている。
ストーリーは残酷な内容も多々有るが、独特のレトロ調でなつかしさを感じるような絵柄がそれを緩和しているように思う。
普段、私たちが意識しないような何気ない日常会話、またそれに伴う人の心の動きを鋭く観察し、世間にはびこるウソや矛盾に悩み、本音と建前の落差に苦しんだ山田花子。
それを漫画という表現にたくした彼女のむなしい気持ち、やるせない気持ち、孤独がよく読み取れる1冊である。