真田太平記(二)秘密 (新潮文庫)
第一巻がとても楽しく読めたのですぐに第二巻にも手を出してしまいました。 天下をほぼ手中にしたかに思えた織田信長が本能寺に討たれ、世はまた乱世へ逆戻りの様相を見せ始めました。 北条、徳川、上杉に囲まれた真田がこの後どのように振舞っていくのかが読みどころです。 また、昌幸の私生活の中でお徳という身分のない女性に身ごもらせてしまう。 気の強い正室との関係がどのようになっていくのか。 こちらの方面でも面白くなっていきそうです。
NHK大河ドラマ 太平記 完全版 第壱集 [DVD]
Amazonはよく利用させて頂いているんですが、レビューを書こうと思ったのは初めてです。興奮してます。どれほど待ちわびたことか。NHKエンタープライズにも何度か要望を出したりしました。とにかく、大河ドラマ中の最高傑作です。毎週毎週日曜が待ち遠しくて、土曜の再放送も必ずチェックしてました。もちろん総集編も購入して、何度も見返しながら、どうしてこれほどの名作の完全版が出ないのか恨めしく思ったものです。最近のホームドラマの如き大河ではない、本当に骨太で視聴者に媚びない頃の大河ドラマです。とにかくおすすめ。早く見たい。
真田太平記(一)天魔の夏 (新潮文庫)
時は戦国、1582年。織田信長が武田勝頼を長篠で破り、天下統一目前の時代。
瀕死になるまで働いた武田家の足軽、向井佐平次は、
謎めいた草の者(忍び)であるお江に助けられます。
そこから、長い真田家の物語が始まるのでした。
池波正太郎さんによる長編時代小説です。あとがきによれば
10年以上にわたって週刊朝日に連載され、分量は原稿用紙9千枚になるそうです。
本巻は全12巻の初巻ですが、分量は519ページ、所要5時間程度です。
内容は、有名な真田幸村以外にも、彼らをとりまく草の者や兄信之、
他の大名家の模様などを、濃密な事実描写と心理投影により描いています。
もちろんフィクションも含まれるのでしょうが、そう思わせないリアリティがあり
読み進めるほど戦国時代に引き込まれます。
真田幸村は戦国武将として大人気ですが、彼だけでなく忍びの者の活躍も光ります。
戦国の世を巧みに生き抜いた真田家をめぐる一大長編小説として
時代小説が好きな方にはおすすめのシリーズです。
逆説の日本史〈7〉中世王権編―太平記と南北朝の謎 (小学館文庫)
本書ではまず、「太平記」が、「源氏物語」や、「万葉集」とおなじ目線の上で書かれたものである事を詳細に説明しています。
ここでは、今まで著者がさんざん説明してきた、「怨霊信仰」、「言霊信仰」を再度検証するべく、この二つの考え方を無視して正しい解釈は出来ない事を解説します。
後半は、室町幕府の成立に絡み、後醍醐天皇、足利尊氏、義満、義教のを検証する事で、「ケガレ」と「和の精神」がここでも生きている事を証明しています。
どちらも、6巻までを読んでいる人には、「なるほど、そうつながるのか」と納得する論法で、日本史を読み解くために必要な4つのキイワードの中間決算的内容にも受け取れました。
室町時代は、その後の戦国時代から江戸時代に比べ、なじみが少なかったんですが、このキイワードで読み解くと、戦国時代以降に発生する物語の萌芽がそこら中にあることがわかり、かなりエキサイティングな時代だった事を知る事が出来ました。