寝ずの番 特別番 [DVD]
マキノ雅彦第1回監督作品。マキノ雅彦とは、“日本映画の父”牧野省三(マキノ省三)を祖父に、生涯に261本の映画を監督したマキノ雅弘を叔父に持つ俳優、津川雅彦のこと。
原作は一昨年に亡くなった中島らもの同名小説。
監督の実兄である長門裕之が、上方落語の重鎮、笑満亭橋鶴役で出演している。
その橋鶴が、危篤状態になるところから物語が始まる。
弟子達は、師匠の最後の望みを叶えてあげようとするが、あろうことか、その最後の願いを聞き間違えたことから、ひと騒動が持ち上がる。
でもその後が本番。師匠が亡くなり、通夜が執り行われる。一晩中、寝ないで死体の番をする、それが『寝ずの番』らしい。
橋鶴のかみさんである志津子ねえさん(富司純子)と息子でやはり落語家の橋弥(岸辺一徳)、弟子の橋次(笹野高史)、橋太(中井貴一)とその女房(木村佳乃)、橋枝(木下ほうか)、橋七(田中章)とその女房(真由子(津川雅彦の娘))、落語作家(石田太郎)、よくわからない親戚の一般人(蛭子能収)らが、酒を飲みながら、師匠の思い出話に花を咲かせる。
最初の聞き間違いからして、この思い出話ももちろん、全編もう下ネタのオン・パレード。ビジュアル的にはエッチなシーンはないけれど、テレビでは放映できないんじゃないかしら。放送禁止用語の『ピー、ピー』ばっかりで、意味がわからなくなるでしょう。だからテレビでは観られないかも知れません。
で、一つひとつの思い出話が、おもしろい。流石上方の落語家。生活全てが落語的。話す方も落語家(もちろん本当は俳優だけど)だから、全ての話にオチがある。気持ちいい。僕も関西育ちなので、オチがない話は嫌いだ。
寝ずの番は1回で終わりではない。その後も2回、都合3回、寝ずの番が繰り返される。
そして、話すほどに、エスカレートしていく思い出話に歌に踊り。
よく画面を見ていると、いや、それほどよく見ていなくても、変なことが起きている。どれもこれも笑いの連続。
笑って楽しむエンターテイメント作品です。自分もこういう通夜に同席したい。自分の通夜は遠慮したいが……。
ANIMEX 1200シリーズ 87 三つ目がとおる 音楽集
いい意味で裏切られた感じでした。今までのサントラと言えば最後まで聴けませんでしたが、
この音楽集は最初から物語を思い出しながら最後まで聴けました。
このアニメを観た人なら解ってくれると思います。是非お勧めします。
介護小説 最期の贈り物
昔なら死んでしまった人間が、生命尊重の道徳によって生き延びさせられている。その結果、新たな問題を私達日本人は抱える。老人介護がそれらの問題の中の一つだ。多くの真面目で良識ある嫁や主婦は、老人介護に関わってとても苦しむ。脳天気に近代道徳をふりかざして、介護の不十分さを非難する小姑。老人との過去における軋轢を引き摺って、ひたすら逃げようとする夫。ビジネスライクに関わるだけのヘルパー達。そんな人に囲まれて、自殺願望を抱いてしまう介護をまかされた嫁。果たして、救いはあるのか。
人は支え合って初めて生きてゆける。痴呆の老人に支えられ私は生きる。私に支えられ痴呆の老人は生きる。二人は支え合って生きる。この古くて新しいメッセージが、救いをもたらすはずだ。著者!のせつない思いが私の胸を打つ。
制覇 [DVD]
山口組田岡三代目死去、そして四代目候補のヤマケン若頭死去までを描く作品
三代目を三船、ヤマケン若頭を文太、ライバルのボンノを若山富三郎、最後の博徒波谷守之を小林旭。
三代目を襲撃した鳴海清をにしきのあきら、北陸の帝王川内弘を岸田森、のちに一和会を結成する山本広を待田京介
他の山口組幹部を小池朝雄、寺田農、鹿内孝。若手組員を清水健太郎とほぼ東映オールスターキャスト
鶴田浩二は何故か病院の先生です。
原作、三代目姐繋がりで『激動の1750日』とセットで見れば昭和後半から平成初めまでの山口組の歴史がザッとわかります
Tears
「はじまりはいつも雨」、「会いたい」、「恋」・・・・・。心の寂しい、悲しい部分にそっと染み込んでくる名曲ぞろいで、涙が止まらなくなりました。20代後半の方から30代の方の心にはジーンとくるのではないでしょうか。
昔を思い出して、1人泣いてみるのもたまにはいいかも。
かえって新鮮に聞こえたりするかもしれませんよ。