ハプスブルクの宝剣〈下〉 (文春文庫)
ハプスブルグ家を継いだマリア・テレジアに列強諸国がその刃を向ける。エドゥアルトは激動のヨーロッパで自らの才気を認めさせるために翻弄する。しかし、マリア・テレーゼへの愛情ゆえの確執とフランツへの友情、そしていつまでもユダヤに縛られる自分に苦悩する。
「ハプスブルグの宝剣」の下巻。前巻に引き続き読み応えのある一冊。登場人物の人間ドラマもさることながら、国々の駆け引きなども面白い。実在した人物や出来事にここまで違和感なく溶け込んだ主人公を書いた作者の技量は見事としか言いようがない。前巻に引き続きぜひ読んでみてほしい一冊。
ATTACKERS イラマチオBEST [DVD]
このbest版は、素晴らしい。イラマ好きは、まず、コレをみて、元祖とは、言わぬが、僕は、イラマbestでは、まず、この作品サイコーっす。このbest版には、イラマのエロさの全てが詰まっている!
幕末銃姫伝―京の風 会津の花
本書(藤本ひとみ『幕末銃姫伝 京の風 会津の花』中央公論新社、2010年)は会津藩士の家に生まれた山本八重(後の新島八重)と兄・覚馬を主人公とした歴史小説である。山本八重は戊辰戦争での会津若松城籠城戦では銃砲を使って奮戦した人物である。2013年の大河ドラマ『八重の桜』の主人公である。
本書の覚馬は佐久間象山や勝海舟に師事し、開明的な思想の持ち主であった。軍備の近代化を藩に提案するも、中々採用されなかった。八重も銃砲を学ぶものの、女性蔑視の風潮の中で十分な活躍の機会を得られなかった。
作者の藤本ひとみはフランス歴史小説で名高く、幕末物は異色である。この点で同じくフランス歴史小説を得意とする佐藤賢一の『新徴組』を想起する。片や会津藩、片や庄内藩と共に佐幕派である点も共通する。
攘夷を叫んでいた志士が文明開化を主導するなど薩摩や長州の無節操・無定見を知るものにとって幕末物では佐幕派を応援したくなる。しかし、当時の幕府主流は絶望的なほど無能と頑迷であった。幕臣ながら、「幕府は潰れてもいい」と放言した勝海舟の絶望感も全く理解できないものではない。
本書も『新徴組』も主人公サイドは開明的であるが、頑迷な守旧派が障害になる。特に本書では会津藩内の守旧派が大きな壁になっており、庄内藩の軍備近代化に成功した『新徴組』以上に無念さが強烈である。
覚馬も八重も歴史的には明治以降の活躍で知られているが、本書は幕末で終わっている。それでも後の彼らの思想につながる人格形成の土台が描かれている。(林田力)
探偵チームKZ事件ノート 卵ハンバーグは知っている (講談社青い鳥文庫)
藤本ひとみさんが大好きなので買ってみました。
文章はひとみ先生が書かれていたのを一生懸命真似した感じですが、キャラクターはあまり違和感無く(特に主人公)良かったと思います。ただ物語は単純で面白みには欠けています。昔と違って小学生向けっぽいので仕方ないのかもしれませんが、もう少しどうにかならないのかなぁと思ってしまいました。若武が変に英語を混ぜてしゃべるのは本当に寒かったのでもう二度と使ってほしくありません。
SSUはともかくgosh,darn it は特にヤバいと思う。darn itはdammitって書く方が良いと思う。もしくはdarned
そんな言葉をアメリカで若い子が話してたら馬鹿にされると思う。爺臭い感じがする。
アメリカは地域によってかなり方言があったりするので、NYではそう言うのかな!?そうならゴメンナサイ。使ってる人は見た事ないけど・・・
イラストは妹の絵が可愛かったけどあとは微妙です。
ひとみ先生が好きで買った様な物なので続きが出ればまた買うかもしれないし、☆も甘めで3つ付けました。
住滝さんが書く小説だったら買わないし、本当の気持ちは☆1.5くらいです。
皇帝ナポレオン〈下〉 (角川文庫)
本作は産経新聞に連載された『ナポレオンの夜』を纏めたものです。主人公はパリの新聞記者であり、彼が歴史上の人物にナポレオンに関する話を聞き出すという形で話が進んでいきますが、この記者は実在した人では無いのでしょう。ただナポレオンを主人公にしてその行動を描写していくよりも当時(1815年)の記事としてナポレオンの有様を読んで行く形式の方が時代の雰囲気をよく掴むことができると思いました。読者はこの記者と共にナポレオンの影を追い、最後には彼に直接面会して等身大の英雄をこの目で見ているような錯覚に陥るはずです。一つ残念なのは戦闘の記述に戦略的、戦術的視点が無く戦史の研究として読むことができないことです。本作の主眼はナポレオンの人となりであってナポレオン戦争では無いのだから仕方ないですね。しかし其れはナポレオン狂には厳しい仕打ちです。