これでいいのだ!!映画★赤塚不二夫 スタンダード版 [DVD]
少年サンデーの赤塚番で名を馳せた武居俊樹氏の『赤塚不二夫のことを書いたのだ!!』を映画にした作品です。
武居氏の役を女性に置き換え、堀北真希さんが演じています。
赤塚不二夫氏を浅野忠信氏。赤塚氏のお母さんは、いしだあゆみさんでした。
浅野忠信さんは、体型など随分違うのでしょうけれどもよく似せていました。
昭和30年代、『おそ松くん』の爆発的ブームから、『レッツラゴン』までが描かれます。が、全般的に、遠慮しながらのシナリオになっていたのではないかと感じました。
武居氏の原作は、評伝いうよりも赤塚氏の思い出を綴ったもので、やや一面的な描き方になっていたのではないかと思われます。
赤塚氏自身も対談や自叙伝を何冊か出していますし、いろんな方が赤塚氏のことを書いています。
そういったものを組み合わせて、是非、赤塚氏を本格的に描いてほしい、と期待しています。
赤塚氏のファンにとっては映画で偲ぶことができるのは喜びではありますが、これだけでは、物足りない、というのが正直な感想です。
天才バカボン サウンドトラック総集盤
渡辺岳夫の音楽が好きで購入しました。
貴重な音源を聞けることは嬉しいのですが、ファンとしては総集盤ではなく完全版を期待したいところです。
2枚組にするなどして本編未使用曲も含めて全てを網羅して欲しいと願うのがこのようなサウンドトラックを購入するファン心理ではないでしょうか。
値段設定が高めな点と曲についての解説がない点を改善した上で、東京ムービーのサウンドトラックシリーズが今後は『完全盤』として続々リリースされていくことを強く希望します。
赤塚不二夫対談集 これでいいのだ。 (MF文庫ダ・ヴィンチ)
7人の侍ならぬ、7人の天才との赤塚不二夫さんとの対談。
英雄は英雄を知るということで、非常に興味深く、本を買ったときから
ワクワクし通しでした。
かみ合うかみ合わないは、相性の問題もあるので、全然気になりませんでした。
ただ、松っちゃんは気を遣いすぎの感があり、一言一言からも伝わります。
返答もただ(笑)で、ノーコメントも目立ったのが少し残念。
それだけ、畏敬の念が強かったかもしれません。
それにしても、実際に声を出してゲラゲラ笑ったのはタモリさんとの対談。
これは強烈です。談志、たけし、アラーキーさん達も笑いましたが、
お腹を抱えて笑うほどまではいきませんでした。
タモリさんは赤塚さんに感謝の態度を一切示さず、そこが大変気に入ったと
対談の中で出てきます。あれほど、赤塚さんにお世話になりながら。
読後に赤塚さんのお葬式でタモリさんが弔辞を読んだときに
「わたしもあなたの作品の一つです」と最高級の賛辞と謝意をこの一文に
込め、送ったことをふっと思い出しました。
数々の対談集の中でも5本の指に入る傑作です。
酒とバカの日々 ― 赤塚不二夫的生き方のススメ
1980年代、1990年代に刊行されたものを再編集したものです。
赤塚不二夫氏が酒場でいかにいろいろな事を学んできたか、そして幅広い交友関係を気づいてきたかという事を書いています。
そして、若者達に一人で部屋に閉じこもっていないで酒場に来いとも(上から目線でなく)呼びかけています。
人との接し方、話題の盛り上げ方等も学習できるぞと。
この面から同氏は「イッキ飲み」と「カラオケ」には否定的です。
巻末に、東日本大震災後にお嬢さんに行ったインタビュー記事も、ハチャメチャな家庭の事を書いていて興味深いです。
ただ、書体が何ともというところです。余白がなくびっしり書かれているページや、突如として通常の文の4倍以上の
ポイントで書かれている文があります。それも、ところどころに「オ◯ンコ」という言葉が大きく書かれています。
周囲の視線が気になる所では読まない事が肝要かと存じます。
この点で星を一つ減らさせていただきました。
赤塚不二夫トリビュート~四十一才の春だから~
この手のアルバムは好みの曲が3~4曲あればいい方。
そういう意味では十二分に元が取れた。
意外に遅効性の曲が多い。
だが重要なのはブックレットのタモリ氏が赤塚氏との日々を語ったインタビューだ。
これだけで定価の価値があると断言する。