青の軌跡〈上〉 (リンクスロマンス)
面白いです!ちょっとSF色が強く専門用語なども出てきますが、あまり難解ではないので雰囲気を楽しみながら読むことができます。物語独自の世界観も良く表現できていて、抵抗無く入りこめます。そして、主人公の2人「カイ」と「三四郎」がとても魅力的です!ひと癖もふた癖もある性格の二人の関係が、今後どうなるのか凄く気になります。ぜひオススメ!
マドリードの熱い奇跡 (ハーレクイン・ロマンス)
2年ぶりに偶然マドリードの空港で再会した男女が織りなす、めくるめく嵐のような1日(厳密には2日間?)を描いた物語。
2年前から友人の妹に密かに恋する、エミリオ。
エミリオに憧れながらも、彼はいまだに別れた妻に恋をしていると信じる、メーガン。
ストーリーの大半は、この2人のやりとりのみで語られます。
男女の対話が魅力的なのはキム・ローレンスの作品の特長ですが、今作では前半はマドリードの空港、後半はエミリオのアパートメントと場所も動かず、
エミリオの元妻ロザンナと、ロザンナとの結婚を望むメーガンの異母兄フィリップもストーリーに絡んではきますが、彼らの出番のほとんどは電話なので
読者は舞台でお芝居を観ているような気分になります。
両想いだとお互い知らない、エミリオとメーガン。
2年前の気まずい出来事以来、初めて顔を合わす2人に何が起きるのか。
エミリオはメーガンをはたしてくどきおとせるのか。
読者はにやにやしながら、見守ることになります。
さらりと楽しく読めて、読み終わった後もほのぼのとしあわせな気持ちになれる作品です。
ドラマティックなストーリーを読みたい方、派手に感情をゆさぶられたい方には物足りないと思いますが、
ストレスなく気楽に読書を楽しみたい方にはおすすめです。
奇跡が舞い降りる夜 (シルエット・ロマンス)
あまりひねりは無く、素直な作品です。
ヒロインのシャノンと、妻に先立たれた子持ちの男アレックスの、
お互いに惹かれ合っているのに壁を越えられない内面が上手く書かれていて、
ちょっとした恋愛映画のように、魅力的な話でした。
ヒロインの料理下手は魅力に欠けるけど、彼女の性格はとっても好き。
アレックスと息子のジェレミーも魅力的で、すんなり読めました。
クリスマスとか、バレンタインの季節に、お似合いの作品です。
カデンツァ〈1〉―青の軌跡 番外編 (リンクスロマンス)
私が初めて出会ったBL小説が、この「青の軌跡」でした。『デル戦』を描かれた沖さんのイラストに魅かれ、何気なく買った上下巻。目の前がチカチカするような衝撃を受けたような記憶があります。複雑な心理描写も良かったのですが、動きの表現の素晴らしさに圧倒されました。
読みながら、頭の中で瞬時にアニメーション化されていくようで・・・
特に人物が、見事なまでに途切れのない動きをします。無論人物だけでなく、背景や物もしっかり見えます。
その後久能さんの作品を全て読破し、いつの間にやらすっかり腐女子に・・・
さて「カデンツァ」です。『それから。』の後の話が『Ever Green』になるのですが、『Ever Green』の方が先に構成されています。
『それから。』を読み終わった後、『Ever Green』の最後で三四郎がこれから取ろうとしている行動に思いを返し、フッと笑みたくなったのは私だけでしょうか。『それから。』を先に読んでもいいかもですね。『Ever Green』はその後の三四郎なので・・・
今回『それから。』、三四郎とカイが身悶えするほど良かったです〜。こんなにかわいいカイはもう二度とお目にかかれないでしょうね。
相変わらずの三四郎と相変わらずのカイなのですが、最後がもぉぉぉ甘い甘い!!ほんと今までも、これからもこんな二人はもう出てこないだろと思います。どなたかも書いてみえましたが、ベッドシーンがゾクっとくるほど官能的でキレイなんですよね。こういうベッドシーンを書かれる作家さんはほんといないと思います。
最初と変わらず、頭の中でアニメーション化されつつ読むのは良かったのですが、三四郎が隻眼になった経緯あたりの場面は、さすがに画像を止めたくなりました。生きてて良かった三四郎!!
次回作も楽しみにしています。