学術論文の技法
修論の段階で読んだ方は羨ましい限りです。私は修論、海外での修論、海外での博士論文、各種学会での論文、などをこれまで行ったにも関わらず、こうした類のマニュアルはこれまで一度も読みませんでした。しかし、日本の学会が要求している論文の書き方を自分が知らないことを理解し、一度マニュアルを閲覧してみようと思いつき、この本を購入しました。
先に読むか、後で読むか、それによって何も変わりませんが、業績を積む前に読んだ人は、きっとこの方法に安住してしまい、書くということや一人称に至る困難な道のりついて何一つ考えないまま、研究の発信を続けてることになるでしょう。それがいいかどうかは、個人が研究に何を望むかによると思います。「学術の進歩」を信じて、マニュアル通りの優等生の論文を書き続けるのも、一生を賭けるに値する事かもしれません。もし、それ以上自分に頼むことがあるならば、こうした方法からの脱却を考える日が必ず訪れます。そうしたときに、「学術的価値」以上に大事と思える価値を持っているかどうか、本人の感性と教養の豊かさにかかってくるでしょう。私の知る限り、多くの人文科学の研究者にはそう言う意味での豊かさはありません。彼らが個人的創作に向かう事なく、学生時代と同じ論文製作に力を費やして生涯を終えるのもそのためです。
マニュアルはいずれ乗り越えるべきもの、そう思って読まなければ、主観的表現を排除したところに学術の進歩があるなどという、臆病な学者の自画自賛の戯言を信じてしまいます。大上段の学術道徳を無視して、技術として読めば、一時的に非常に効力を発揮する技術本だと思います。
70’S フォークの殿堂「ケン&メリー、我が良き友よ、遠い世界に。。。」
フォーク・ソングが流行った頃といえばもう30年以上前になりますが、当時の音楽はその世代の思い出を形作った名曲を沢山産み出しました。
五つの赤い風船が歌った「遠い世界に」は、昭和40年代半ばの世相を抜きにしては語れません。
日本の高度成長と共に多くの影響力を世に与え続けてきた「団塊の世代」にとっては多分一番口ずさんだ歌だと思います。国民的フォークとでも言うべき名曲ですね。もっと言えば、当時の若者の「国歌」だったのかも知れません。
当時は、70年安保闘争のため、日本中の大学で学生運動が燃え盛り、バリケードストなどがありました。「遠い世界に」が大ヒットした時は、そんな時代背景を持っていました。
「遠い世界に」はとても親しみやすいメロディを持っています。1オクターブしか音域はないのですが、覚えやすく温かみのある歌詞、軽快なテンポ、簡単にハーモニーをつけられるコード進行と、ヒットする要素を一杯持っていました。当時各地で行なわれた様々な集会で若者達によく合唱されたものです。時代を映す鏡のような曲でもありました。
今は時代を反映するような曲は生まれなくなりましたね。個人的な関心に分散し、若者が何か大きなうねりというものを生み出すことも無くなりました。
多くの若者に愛された「遠い世界に」をもう一度しみじみと聴いてください。懐かしい思い出が本当に走馬灯のように蘇ってくるでしょう。
スープ(紙ジャケット仕様)
あの「上野市(うえのまち)」がはいったCDです。
他にも西岡たかしの優しさがつまった名盤LPの復刻CDが発売されました。
五つの赤い風船を解散後にリリースされた作品の中では一場だと思っています。
ライセンス契約のすべて 実務応用編
従来からライセンス契約については複数の解説書が出版されているが、いずれもライセンス契約の標準文言の紹介に留まり、ライセンス契約の実務上の問題点(例えば独占ライセンスを許諾することにより発生しうる問題点)について明確に解説している書籍はほとんど無かった。
その点、本書は「実務応用編」と称するだけあって、単なる契約の標準文言の解説に留まらず、実務上の問題点が(失敗事例を引用しながら)紹介されているので、大変役に立つ。特に独占ライセンスに関する部分とクロスライセンスに関する部分は熟読に値する。
「一応ライセンス契約を解説書に従って、ドラフトしてみたものの、実務上本当にどこが問題になるか、よくわからない」といったレベルにある実務担当者に特にお薦めできる。