霊の発見
神道、霊への興味、スピリチュアルへの関心、
そして、このタイトル「霊の発見」そして…
著者が五木寛之さん、鎌田東二さんである。
正直なところ、答えがほしかった!
このひと言に尽きると思う。たくさんの神道
の本を読んできた。たくさんの霊の本を読ん
できた。海外のノーベル賞級の学者たちが
捕まえようとしても捕まえられなかった「霊」
なるもの。
いくら書物を読んでも、いくら話を聞いても
確信が持てない、霊そして神という存在。
この書籍も明確な答えはない。
それこそが、霊であるということ。自分が肌で
感じ、心で感じるものが霊、霊魂であるという
ことを改めて痛感させてくれる。
そのことを、この二人から教わっただけでも、
価値があったのかもしれない。
そして、自分の思いは果たせたのか果たせな
かったのか、いずれそんなことすらも考えない
ですむ「無」にたどり着きたいものであると。
五木さんが、「恐山」を訪れるくだりなどは、
さすがにゾクゾクするものを感じた。
このテーマに興味があれば読んでおいたほう
がいいと思う。
里見八犬伝 [DVD]
本作品は私が小学校4年の冬休みに母親と弟と3人で、こんこんと雪が降る日に観に行った。今でも23年前の当日のことを鮮明に記憶している。真田広之は今ではまことに稀有な俳優で、運動神経抜群の彼のセンスがいかんなく発揮されている。彼に代わる役者はちょっと思いつかない。薬師丸ひろ子も本作品ではまだ19歳であり、初々しさがにじみ出ている(あえて今の女優でいえば、石原さとみか)。京本さんも24歳(彼の本によると、この作品が彼のいわゆる出世作であったようだ)。10年後にドラマ「高校教師」で真田さんと共演することになるとは・・・。今年の元旦にTBSの開局50周年記念の一環として「里見八犬伝」が放映されたが、スタッフに新鮮さを感じたものの、役者の格が違いすぎる作品のように思われた。夏木マリの妖艶さをどうして菅野美穂で表現しえようか。書きたいことは山ほどあるが、これはやはり千葉真一の作品であるということを強調しておきたい。八犬士のリーダーであり、真田広之の師匠でもある彼の存在感は絶大であったと思う。小学校4年生の私に向かって、母親が「7人死んじゃうのよ」とこっそりと耳元で囁いて、8人の生還を予期していた私の望みを絶ったことが思い返される。今でも懐かしさ溢れる作品である。
里見八犬伝 [DVD]
星一つマイナスの理由は、先のレビューに書いている方も
いらっしゃるがズバリ「特撮が安っぽい」。
岩がモロ、張りぼてってわかってしまうのはいかがなものかと。
それでも、この映画が私は好きだ。衣装と出演者の美しさが
際立っている。真田広之の颯爽とした若さ、千葉真一の渋さ、
志穂美悦子の美しさ。岡田奈々、若くて可愛い!京本政樹、
やっぱり綺麗。そして夏木マリの極悪美女っぷりは最高。
そして、この映画の薬師丸ひろ子は、可憐で、最初は
守られているだけで、だんだん強くなる姫様の役。
ほんとにきれいだ。特に目が、まっすぐ。
この際、特撮が安いところには目つぶって、娯楽として
楽しみたい。
駿台式!本当の勉強力 (講談社現代新書)
特に野島講義4が面白い。日本史で大変なブームとなり、その世界では、基本的常識となった国民国家論の入り口へ導いてくれる。野島氏の立場は、日本の国民国家論の火付け役である立命館の西川長夫教授のように、国民国家を相対化して、批判するというものよりは、本書221ページに写真で紹介されているベネディクト・アンダーソンの想像の共同体に近いように思われる。国民やナショナリズムの起源をフランス革命ころにおき、小説や新聞、言語の国民概念形成に果たした役割を考えるように読者を誘う。日本の特殊性を言い募るではなく、世界史のより高い観点からみた日本の近代化の普遍的側面への視野を開いてくれる。この普遍的視野こそ、日本人が自らの過去を客観的かつ冷静に見つめ考え、そして中国や韓国にも卑屈にもならず、尊大にもならないために必要なことであると思う。最も配当ページ数は少ないようだが内容はもっとも濃く、深いのが日本史の部分であろうと思う。