入門ヘッジファンド―やさしくわかるヘッジファンドのすべて
米国の公的・私的年金、大学基金等が資産の一部をヘッジファンドに投資する時代が来ており、主として富裕層向けだったヘッジ・ファンドに対する認識にも大きな変化が起きている。本書は、その歴史的背景や運用手法を投資信託と比較して説明した良書で、ヘッジファンドの長所だけでなく短所も冷静に客観的に分析した素晴らしい入門書である。相場環境が悪い時にも絶対利益を追求できる全天候型ファンドとして注目されているヘッジファンドだが、本書は、一見ヘッジファンドの短所と見えるところが実はヘッジファンドの長所になっていると指摘している。例えば、少数の大口投資家向けのヘッジファンドの運用資産の規模は比較的小さいが、そのお蔭で、巨大な投資信託が到底投資できないような小さな投資対象にも投資できる。また、ヘッジファンドでは、換金が許される頻度が少なく、投資期間が比較的長く、相対的に流動性が低いが、それゆえに逆に、流動性は低いが、収益性は高いと思われる投資対象にも積極的に投資できる。また、ヘッジファンドは運用会社の規模が小さいが、投資信託における投資委員会等の官僚的な枠組みから解放されている為、業者から良い投資アイデアが集まって来やすくなっているという。また、本書は、ヘッジファンドが、米国の大手投資銀行にとって、既存証券の売買執行や新発証券の販売の領域だけでなく、相場環境が悪い時にも恒常的に収入が入って来る他の領域(ヘッジ・ファンドが証券の空売りをする際の貸株や証券の信用買いをする際の融資やヘッジ・ファンドが保有する証券の保管・管理業務等)において無くてはならない重要な収益源になっている状況に関しても詳述している。翻訳も読みやすい。
Mademoiselle [VHS] [Import]
邦題「マドモワゼル」。フランスの異才作家ジャン・ジュネが1966年に書き下ろしたシナリオを英国の鬼才・故トニー・リチャードソンが映像化。モノクローム・ワイドの画面いっぱいに、片田舎で展開される常軌を逸した有閑夫人(ジャンヌ・モローが好演)による残酷な物語。物語自体は後味の悪い話なのに、奇妙に心に残るのは、錦ヘビが絡まる長い長いショットから繋がる驚愕のフラッシュバックによるエピソードを始め、映画でしか表現できないものをよく知悉した鬼才作家のシナリオと演出のハーモニーが心地よい映画的リズムを作り出しているからにほかならない。リチャードソンの映画は、このほかにも著名作家の映像化作品が多いが、いわゆる文学臭がする頭でっかちの作品が皆無なのは、鬼才たるゆえんだ。
Conduction of Heat in Solids
伝熱の基礎がしっかり書かれており、非常に役立ちます。初級研究員から上級研究員まで、幅広く利用されていることと思います。所々、応用問題が掲げられており、しかも答えしか出ておらず、導出にはかなりの難易度のものもありますが、自分なりに問題を解くことで、かなりのレベルアップを期待できます。非常にお薦めの教科書だと思います。