キーストーン戦略 イノベーションを持続させるビジネス・エコシステム (Harvard Business School Press)
読み出しは取っつきにくく,新しい視点が何なのかは分かりにくいが,読み進めていくうちに概ね掴めてくる.内容はさほど優しくないが,読めば何となく掴める.
キーストーンの役割の中には,『エコシステム』に依存したプラットフォームを形成することも含まれる.イノベーションの要求度が高い昨今,これまでのような自社の視点だけで収益モデルを考えているだけでは生き残れないし,実効的な事業戦略や事業システムを描くことは困難になってきている.『エコシステム』とは,自社中心であるビジネス環境を捨て,共生的な企業関係を基礎とし,ガウアー・クスマノが示した『プラットフォームリーダーシップ』を構築した企業の元に組織化された SCM が最も競争力を有するという考え方である.
自然界に於けるエコロジーは最も効率の良い環境負荷を示すが,ビジネスの世界に於いても同様な概念を適用することはもはや一般的になりつつある.本書では,『競争の舞台は企業間から企業ネットワーク間へと変化しつつある』と述べている.キーストーン的な活動とはエコシステムを牽引することである.エコシステムはニッチプレーヤーに依存するところが大きく,ニッチプレーヤーとキーストーンの共生こそがエコシステムの進化に繋がると云っている.
Last Waltz: Final Recordings Live
1980年8月31日〜9月7日まで演奏されたキーストン・コーナーでの演奏である。
ナンバリングはこちらが「1」となっていて、『CONSECRATION』は 「2」となっているが、実は長い間『CONSECRATION』の演奏はLP時代からアルバム化されて、エヴァンスファンには聖典のように愛されていた録音であったが、当時を知る人々から「まだこの音源は続きがある」ということだけは、言われ続けてきた。
そして長い年月が過ぎて、ここに本来は『CNSECRATION・2』とすべき音源が発見されて発売へと至ったわけである。
そういう経緯がライナーでも一切触れられていないことに、ある種の憤りを感じるが、版権等のよく分からない問題でもきっとあるのだろう…。
さて、そういう意味ではまさに「奇跡の音源発掘!」であり、もっと盛り上がってもいいと思うのだが、これはもうコアなオールドファンにしか分からないことなおかもしれない。
演奏は『CONSECRATION』の完全な続編であるから、そちらのレビューを読んでいただきたいが、本アルバムの仕様については少々苦言を呈したい。
『CONSECRATION』では実に緻密なノイズ処理と、発見されたマザーテープに起因する1/4程度の微弱なピッチの速さ。こういったものが全て調整されて『CONSECRATION』はCD化されているが、本アルバムでは、それらは一切なされていない。私にはノイズはともかく、ピッチのズレがどうしても聞いていて、耐えられないのだ。そう。ピッチ明らかに「早い演奏」になっている。
これではせっかくの世紀の大発見が台無しである、これは何とかしてもらいたいものだ。そこのところだけを声高に言わせてもらいたいと思います。
Keystone 3
ノルことが難しい1曲目のモンクの曲も、メッセンジャーズにかかればこうも華麗なJAZZにかわるのか。ウイントン・マルサリスのTpも若々しく、ためらいなくバリバリ吹きまっくっています。2曲目のバラードも聞きやすく、
ぜんぜん有名じゃないこのアルバムですが、JAZZの入門編のアルバムとして最適の1枚と思っています。