ブラック・レインボウズ
前作の「Slow Attack」も良い出来であったため、
期待は持っていたが、個人的には現段階で、ソロ最高傑作
と言える作品だと思う。
やはり彼にはギターの音が似合う。
そして前作に続きこれもレオ・エイブラハムとの共作であることを考えると、
彼は、刺激を受ける良いパートナーを見つけたようだ。
状態は間違いなくスウェード後期の頃よりも良くなっているのだろう。
非常に力強く聴こえる。
また、ほぼラヴソングだが、歌詞はソロになってから一貫して非常に良い。
それにしても、ボーナストラックの「Savage Dance」は、
アルバム全体の中で見ても、曲も歌詞も出色の出来であると思うが、
何故これを本編に入れなかったのだろう?
とはいえ、“B面曲”が良い、というのは、調子が良い証拠なのだろう。
すこし高くても日本盤を買うことをお勧めします。
Black Rainbows
前作に続き、レオ・エイブラハムズとの共作によるソロ四作目です。
「今作はむき出しの情熱によるロック」とのブレットの言の通り、前作とはカラーが異なっていますが
共作者が同じということもあり、土台の部分には共通点が感じられます。
前作スロー・アタックがエレガントな中に鋭くとがったモノを時に内包している作品だったのに、
今作はドラムの激しさで激情を表現しつつ、ヴォーカル部分は意外なほど落ち着いています。
全体的な完成度は高く、個人的にはスロー・アタックよりは落ちると思いますが、僅差です。
ソロ三作目で方向性を見出して、四作目で世界観をほぼ確立したという意味では、
今のブレットからモリッシーのユア・アーセナル〜ヴォックスオール・アンド・アイの流れを思い出しました。
しかし、もう一つパンチが欲しいのも事実です。
「むき出しの情熱のロック」のはずなのに、時々ひどく落ち着いて聞こえる音に不安を覚える瞬間もあります。
ライブ版ではActorsが好きだったので、スタジオ版でどう化けるかと期待していたら、
案外ヘボかったことにも落胆です。
ブレットが「ロック」をしようとする限り、やはりここにバーナード・バトラー的存在の不在を思い出してしまいます。
初期Suedeの曲が下世話寸前で転換し、昇華した音だとすれば、Actorsは下世話な方向に落ち込んだ音になっていました。
楽曲群の完成度自体は、繰り返しますが、高いです。
欠けているのははっきり、アクのあるギターサウンドだけです。
そういう意味では非常に惜しいアルバムです。
スローアタックが良かったのは、ギターを必要としないアルバムだったからなのかもしれません。
そしてそれが今のブレットの課題のようにも思えます。
この「何かが足りない感」を例えるなら、Jamesを好きな人がTim BoothのBonesかBooth & The Bad Angelを聞いたときの
感覚が近いように思います。
ベスト
やっぱりセルジュの楽曲を歌うジェーンは一番輝いてます。
「無造作紳士」や「ジュテーム・モア・ノン・プリュ」など、日本でもなじみのある楽曲がけっこう収録されているので、これまでフレンチを聴いたことのない人にもオススメです!
亡くなったセルジュを想い、涙ながらに歌う「手ぎれ」(ライブ収録)は、聴いているこっちまで涙モノですぞ!
ブルーレイディスク スターターBOX ファンタスティック・フォー[超能力ユニット]/X-MEN:ファイナル ディシジョン/エイリアンVS.プレデター [Blu-ray]
ブルーレイがこんなに安く買うことができ良かったです。
スロー・アタック
売れなかったみたいですねえ・・・
1曲目のHymnからして大傑作なんですが。
Suede時代の毒は消えてしまいましたが、この曲の澄み切った印象はデヴィッド・ボウイのSpeed of lifeに匹敵します。
また、アルバムを通して聞いて、疲れない。
聞き終えて、もう一度聞こうと思わせる。
最近珍しいタイプのアルバムだと思いました。
全曲素晴らしいのですが、何度も通して聞いた結果SummerとHunted、それにAshes of usは中でも傑出しています。
Suedeが好きな人より、むしろSuedeを知らない人にこそ聞いて欲しい。
詩の世界も実に素晴らしい。
特にAshes of usの歌詞はその詩的世界に静かな感動を覚えました。
これは、Suedeには見られなかった美しさだと思います。