ゴールデン☆ベスト
りりィの「風のいたみ」が聴きたくて聴きたくて・・・20数年待ち続けて、やっとCD化されました。小学生の頃、何度かエアチェックのチャンスがありながらコトゴトク失敗し、それ以来聴いていなかったので感激です。よくあることですが、SP版で発売されてLPに収録されなかった曲はなかなか復刻されなかったりするんですよね~。TWINBESTにも収録されていなかった時は心底がっかりしたもんでした。同様に「私は泣いています」も未だSP版バージョンでないのが残念です。また、このCDにはフェミニンのCMで使われていた「綺麗になりたい」も収録されていて、曲名も判らなくなっていたのに思いがけず出会えて感激でした。と言うわけで、私的には超お勧めのCDでまさにGOLDEN・BESTです。
コンプリート・アルファ・イヤーズ
仁の歌声は時に力強く、時にガラスの様に繊細で好きだ。その歌声の中に溢れてる物は聴く人の心を切なくも優しくさせる。「冷たいままで」における歌声はピカイチ!潮の様な強弱の満ち引きがいい。彼女とかと聴くよりも、これは一人で聴いてみて、自分の心と静かに向き合ってみましょう。
PROPAGANDA [DVD]
1983年に行われた 『散開コンサート』 のライヴ映像にさまざまなイメージ映像を挿入した「フィルム」です。
楽曲のイメージを映像化したものや、メンバーそれぞれのキャラクターに合わせたものなど有ります。
80年代らしい時代を感じさせますが、それはそれで、興味深いものがあります。
ライヴパートはナチス風軍服に身を包み派手なメイクで演奏するメンバーが観れます。
ライブ楽曲は、「散開コンサート」のディスクのものとは異なりますが、
13.TECHNOPOLIS 〜 14.RYDEEN につなぐHOTな選曲と盛り上がりは、他のLD、DVDでは在りません。
この写真を見て、みんな若い!!と思って即購入して、バリバリなライヴ映像を期待すると肩透かしをくらいます。
しかし、懐かしき当時を思い出して、全盛だったあの頃の「YMO」を観るのは、ファンなら必然です。
或る音楽 [DVD] [初回特典封入盤]
これは、恐らく知る人ぞ知る音楽家でしかも映像作家でもある(本人は映像を作っている人間だと言っている。映像に足りない要素を音で足すらしい。)高木正勝によるLIVEの模様を、本人のインタビューやリハーサル風景などを織り込んで製作された映画「或る音楽」の収録されたDVDである。まあ映画とは言うものの、内容としては先に述べたようにLIVEのドキュメンタリー映像。
以前までの高木さんの作品と比べるとだいぶテイストの違う、神話という世界を表現した今回の作品全体に沸き立つどこか物寂しいけれど懐かしいとも感じるこの雰囲気。彼も「そろそろ日本の音楽を作ってみたかった」とどこかで発言していたような覚えがあるが、わたしは彼のこちらのタイプの音楽の方に惹かれた。惹かれるものがあった。わたしはラジオから『Tai Rei Tei Rio(曲名)』が流れて来た時に自然とそちらに耳を奪われたのを覚えている(ただ、この曲を聴いた時にまず頭に浮かんだのはヨーロッパの情景と民謡なのだが(笑))。直ぐさま曲名を検索し、この人物の存在に辿り着いた。いや本当に出会えてよかったとつくづく思う。 CDを聴いてこの人の音楽はよいと感じた、感じている人ならば、この作品を見ることによってその音楽に映像を足してみるのはいかがだろうか。
より具体的な感想としては、今回のコンセプトに基づいて作られた訳ではないが高木さんがライヴの際などには必ず演奏する代表曲『Girls』のピアノソロパフォーマンスを映像で見られたのがよかった(本編の編集されたバージョンとスペシャルコンテンツのフルバージョン)。美しい小川の水の流れや森の木漏れ日を連想させる、「音」だけでも非常に心地よい曲だが、やはりこれにもPVではないが演奏シーンという形の「映像」を足して聴きたい。特にピアノ曲は演奏シーンと合わせてこそ感動が大きくなるような気がするからだ。
ちなみに私は「Private/Public」というアルバムに付いている楽譜を参照しながら趣味でこの曲を練習中なのだが、これを見た後は以前にも増して練習する意欲が湧いた。早くあの演奏を自ら体現したいものである。 ちなみに聞いたところによると、この曲にはよくアドリブが入るらしく、弾く時々によって弱冠違って聞こえるそうなのだが、たしかにアルバム「Private/Public」の時とこの作品のバージョンとは少し違うようであった。これらや他のLIVEの音源とを比べてみるのもおもしろいかもしれない。
他、このアルバム独自の曲に関して言うなら「Homicevalo」と「Tidal」が特に良いと感じた。前者は静かで悲しい、人の嘆きと表現したらよいのだろうか。鬱気味の人は聴かない方がよいかもしれない曲。しかし浸りたいと思える世界感がある。後者はただただ美しい。この「或る音楽」の中では一部しか見られないが、潮の満ち干きのごとく行ったり来たりする女の子の顔で表現されたPVもなかなか見応えのある作品である。ライヴなどに行けば全編が見られるが、これを見て中には「怖い」と感じる人もいると思う。何せ眼前に揺らめく女の子の顔には明らかな生気が漂っていないからだ。この映像はミレーの絵画「オフィーリア」の続きをやっているつもりで作ったというが、まさにあの絵のごとく、人の生きた状態から死へと変化するその刹那の情景の美しさがこの映像にも見事に描かれていると思う(素人ながら)。一見生きてはいるのに同時に死を連想する。怖いとも思える。しかし見入ってしまう不思議な魅力的な作品。(DVDとして一般発売されていないのは実に残念。そしてこれからもこの作品は一般向けに大量生産されることはないらしい。よって、このPVの全編を高画質で視聴するためには、どうやらライヴに行くしかないらしい。購入することも出来なくもないが非常に高価だという。しかしライヴの方が間違いなく感動が大きいということは想像に難くない)。
最後に、音楽や映像作品とはあまり関係のないことだが、映画の中で正勝氏が露店のような場所でサザエを食べているシーンがあるのだが、それがなんともほのぼのしく感じられて、意外に好きなシーンである。
解析序説 (ちくま学芸文庫)
もう微積なんて忘れてしまったが…という方が居られたとする。さらにその方がひょんなことからもう一度微積をやってみようかな、という気になったとしよう。本書はそのような方に是非お勧めしたい一冊なのである。
実数論から始まるガッチリとした微積分をやるというのも一つの道であるが、むしろその使われ方を通じて微積分を理解したいと思っている方もいらっしゃるだろう。本書はそのような要望に応える。特に経済学部での講義が元になっているだけに、多くの例や演習問題が経済学等で扱われる社会現象から題材を採られている。だがそのような例を用いているとは言え、本書は現象のモデルを立て、それを微積分を用いて解析し、将来の予言を行うという近代科学の精神を同時に説いている書物なのだ。
例えば本書の第5章の冒頭、微分方程式の初期値問題を解く3つのステップが次の簡潔な言葉で表現されている。(i)始めはこうだった、(ii)今はこうである、(iii)将来はこうなるだろう。この言葉は微分方程式の考え方を表現する言葉として実に警抜なものだと思う。
一変数関数に題材は限られているとはいえ微積分の基本事項の解説は詳しい。特に解析学で重要となる近似の考え方は様々な例を用い計算まで含めて述べられている。また差分法を述べた第2章の中に補間法の説明が詳しくなされているのも嬉しい。微分・積分法と差分・和分法を同じウエイトで述べているのも他書に無い本書の特徴であろう。さらに、第3章の初等関数を述べた章では、1/xの不定積分で対数関数を定義しその逆関数として指数関数を定義する方法が丁寧に述べられている。お話だけでは無く計算まできっちり書かれた、3名の数学者の手による大変な労作であると思う。森毅「現代の古典解析」及び山口昌哉「数学がわかるということ」と併読されるならば微積分学に対して理論・応用の両面からより深い理解が得られるだろう。多くの方にお勧めできる、とても読み応えのある書物である。