喜劇人に花束を (新潮文庫)
植木 等さん、という喜劇人についての章は、とても細かく、もちろん著者もその周囲の人であったにも関わらず、非常にフラットな目でクールに書かれていて、さすが、という感じを受けました。伝記モノ(この本が出版された当時は生前であったのでしょうけれど)はおそらくその人物に対して非常に強い思い入れがあるからこそのものなのでしょうけれど、それであってこれだけフェアに書かれているのにはかなり驚きを感じます。それでいて自身の影が消えているわけでもなく、ちょっと他では(私の感覚と読書経験で言うと、ですけど)見たことの無いような距離のとり方と公平性です。
もちろん、思い入れの強い人からすると、もっといろいろあるのでしょうけれど、喜劇人「植木 等」のかなり底まで肉薄しつつ、愛情と尊敬を感じさせる周辺記、素晴らしかったです。こういう書き手で笑いに理解ある言葉と文脈と文章で残せる方はかなり珍しいのではないでしょうか。
もう1人の藤山さんについては全く知識が無いのでドンナ人なのかも知らなかったのですが、かなり苦しくも厳しくキツイ生き方をされた方なんだろう、と納得させられました。
そして文庫版での追補として伊東 四朗さん!ココが読みたくて借りたのですが、やはり伊東さんは私の中ではかなり好みの方ですし、小松政夫さんとの掛け合いなんか最高でしたし、私はベンジャミン伊東からの伊東さんしか知らなかったので、この展開が以前の伊東さんを知る方からは驚愕と、小林さんからは絶賛されたのだと知ったのが意外でした。でも伊東さんのはっちゃけ具合と、そこはかとなく漂う雰囲気のギャップ(私にはどこかしら狂気ではない、醒めた、しかし諦観ですらない何かを感じます、にんっ、とか)と、どうしても完全に周囲に溶け込めない何かを抱えているように見えます。
喜劇人の時代の流れと、小林 信彦というフラットな目を持ち、関係を続けていける稀有な観察者の日記のような、それでいて愛溢れる伝記ものに興味のある方にオススメ致します。
クレージーキャッツ 無責任ボックス (初回限定生産) [DVD]
「ニッポン無責任野郎」(昭和37年7月29日封切り)・「ニッポン無責任時代」(昭和37年12月23日封切り)・「クレージー作戦 くたばれ!無責任」(昭和38年10月26日封切り)のクレージーキャッツ初期の3作品は、とりもなおさず東宝制作の全30作品のなかでもっともクレージーキャッツらしい3作品です。
古沢憲吾監督・松木ひろし脚本の「無責任時代」・「無責任野郎」と、坪島孝監督・田波靖雄脚本「くたばれ!無責任」は、それぞれクレージーキャッツの大半の監督を務めた両監督と、クレージーキャッツの魅力を引き出した脚本家のそれぞれのコンビの作品の違いも見所になります。
昭和30年代後半の、高度成長期の東京を懐かしく想い出してもよし、あの時代のパワーを貰うもよし、何にしても、今、腹の底から楽しめる映画ではないでしょうか。
また、「クレージーキャッツデラックス」は、熱烈な大ファンであるあの大瀧詠一氏が総監修しています。
LDに関しては、映像の乱れや汚れがある旨が表示されてましたが、実際に気になることもなく、そのままDVDになったとしても綺麗だと想いますが、できればディジタル処理して頂いて、すこしでもクリアーな映像と音を期待します。
植木等ショー!クレージーTV大全
某雑誌でこの本の発行を知り、即購入し、直ぐ読めるだろうと高を括っていましたが、いやはや参ったス!!一つ山越しゃ・・ホンダラッタ・・で、CDは聞きなおすし、映像は見直すし、本は読み直すし、でやっと読了しました。
内容は、書名どおり、植木さんを中心として、クレイジーキャッツの興亡を記述しています。
そして、植木等ショーの第一期、第二期の紹介から始まりますが、当然キネコ(当時ビデオテープが高価だったので、フィルムで保存した)の有る回は詳細に述べられています。間に園まりのインタヴューが挟まり、デュエットのあんたなんかは、実は別どりだっただとか、ハイそれまでヨ、スーダラ節だ好きだとか色々面白いことがわかります。
そして、おとなの漫画の時代、シャボン玉ホリデーの時代(クレイジーの黄金時代)を経て、1971年、日本一のショック男(最後のクレイジー映画)、1972年シャボン玉ホリデー終了(最後の頃は、クレイジーは全員出ていなかったらしいです。)で植木暫し雌伏の時となります。
しかし、ラジオ番組で大滝さんがとりあげ、TV探偵団で植木をゲストに招いたり、1990年の紅白でスーダラ伝説を歌ったり(56.5%の最高視聴率)、そして1991年植木等デラックス放映で植木は再ブレークします。
植木は、スーダラ伝説吹き込みにあたり、単独で歌うことを条件にしていた事、また、彼にとって植木等ショーは特別な存在だった、花と小父さん、星に願いをは好きな曲だった等色々面白いことがわかります。 キネコが有るにも拘らず、未ソフト化の映像があったりするので、それらも出来れば発売して欲しいものです。とにかく植木に関しては、超一級の資料だと思います。
長くなりましたので、彼の心情、性格をよくあらわしている言葉、盟友宮川泰を送る葬儀場で、宮チャン〜俺は寂しいよ・・・で文章を閉じたイッス!!!
大瀧詠一 Cover Book I-大瀧詠一カバー集Vol.1(1978-2008)-
なかなかCD化されていない曲がありましたので、よかったです。実はsongbookよりかなりマニアックに仕上がりましたね。
COVER BOOK2でるのかなあ
Duets
山下 久美子さんのデビュ-25周年アルバムが完成。しかも、収録曲 全11曲全てが豪華ゲストミュ-ジシャン達とのデュエットという、彼女としては初めての試み。忌野清四郎の書き下ろしの「愛の行方」を筆頭に、キャロル キング名曲「You ve Got A Friend」を大澤誉志幸&大友康平らと、しっかり歌い上げる。更にナット キング コールの代表作「月光価千金」を植木等とROCK調に軽快に共演しています。正にレアな共演となった。「ドレミの歌むでは、5歳になった、双子の愛娘あかねちゃん、ひかるちゃんと母娘初共演。微笑ましい「ドレミの歌」を披露してくれています。また豪華デュエットのサポートするメンバ-も吉田健、鳥山雄司、そうる透、村上ポンタ秀一といった。当代きっての実力派が勢揃いしてサウンドに華を添えています。