人生は、奇跡の詩 [DVD]
アッティリオ(ベニーニ)は、語る言葉も詩的だが、
その生き方もユーモアにあふれた素敵な人だった。
妻に目が見れることを隠し通したあの老人のように、
彼はヴィットリア(ニコレッタ)に何も伝えません。
ヴィットリアも、本当のことを思い出したのに、
何も語らず愛に満ちた瞳を見せるだけです。
そんな二人から、とても素敵な愛が伝わってきた。
ベニーニ監督っていいなぁと改めて思いました。
幾度となく繰り返される夢の中の結婚式の場面、
雪の日にトラが登場するシーンも美しかった。
心をくすぐられるセリフも多くて面白かった。
大人の愛を感じる映画で、とても良かったです。
フローズン・タイム [DVD]
期待していたよりずっと映像がきれいだった。
主人公だけの止まった時間と、バカ仲間がふざけてる時間の空気感の違いが、
とてもよく表現されている。止まった時間は「静謐」という言葉が本当にふさわしい。
ふざけてる時間は、ほんとうにいい意味でどうでもいい感じがよくでている。
エロスがほどよく挿しこまれているのもとても良い。もちろんエロスだけの映画では全くない。
ラストは、写真家の監督だからこその発想なのだろうか。
雪を撮った映像としては屈指の映像美だと思う。
この監督の今後の活躍を期待します。
Woman
流しているだけで心が落ち着き、気持ちの良い感じになれます。
仕事の合間にも眠る前にも聞いて欲しいものです。
私の場合は、2枚目となるのWOMAN2と交互に聞いていますが、
WOMANN2には無い良さがこちらには有ります。
洋楽を聞きたいけど何を買おうか迷っている人が居たら、
WOMANとWOMAN2を買って貰いたいものです。
ドン・ジョヴァンニ 天才劇作家とモーツァルトの出会い [DVD]
ダ・ポンテとモーツァルトのオペラ『ドン・ジョヴァンニ』共同作業に焦点を当てた伝記映画と思って見るひとが多いと思いますが、まるっきり伝記映画ではありません。史実をかなり無視しています。ダ・ポンテと同時代人のキャラクターを歌劇の役柄にあてはめてみた一種の「見立て」映画です。どれだけ史実を無視しているかを挙げたらキリがありません。『アマデウス』には本質を衝いたフィクションがありましたが、本作には強引な見立てがあって、それらはほぼデタラメです。例えばガッツアニーガの『ドン・ジョヴァンニ』の舞台が、ダ・ポンテの青年時代のヴェネチアに出てきますが、実際にこのオペラが作曲されたのはモーツァルトのオペラの少し前です。それに『ドン・ジョヴァンニ』の初演はウィーンではなく、プラハです。プラハでは大成功でした。エルヴィラを設定したのはダ・ポンテの恋人フェルラーゼの嫉妬を抑えるためだったと描かれますが、実際にはモリエールの『ドン・ジュアン』から借りたキャラクターです。ダ・ポンテとカサノヴァとモーツァルトというキャラクターを使った伝奇映画で、よく考えると話がうますぎる点が多い。この映画の見どころはリハーサルとして上演されるオペラ『ドン・ジョヴァンニ』の演奏そのものだと思います。特に第一幕冒頭部分,オーケストラ伴奏ではなく,モーツァルトのクラブサンと弦楽四重奏で伴奏されたときの重唱は素晴らしい。その後もオペラの抜粋が要所要所で聴かれます。指揮はニコラ・テスカリ、演奏はコレギウム・マリアーヌム、プラハ・バロック合唱団。