眠れぬ夜を重ねて (エメラルドコミックス ハーレクインシリーズ)
エミリーはなかなか子供に恵まれなかったため、人工授精で念願の子供を持つことが叶いました。だが、医師から妊娠成功の嬉しい報告の後、天国から地獄へ彼女を突き落とす出来事が…。彼女は夫キースの裏切りを知ることのなったのです。夫が愛人と一緒に焼死!!しかも、多額の負債まで残して…悲嘆にくれるエミリーですが、そのとき、夫の兄ディロンがまるで紳士のごとく彼女の傍にいて甲斐甲斐しく世話を焼いてくれます。それまで、ディロンのよそよそしい態度に自分は嫌われているのだろうと感じていたエミリーでしたが、実はディロンは弟の妻をずっと愛していたのでした。よそよそしかったのは自分の想いを悟られないため…。いつしか、彼の存在が彼女にはとても安心出来るものに…そして…恋心に変わっていきます。また、亡き夫の忘れ形見のお腹の赤ちゃんの秘密もやがて明らかに…。
お互いに相手を失いたくないためになかなか自分の気持ちを相手に伝えられないのですが、二人の気持ちの変化、そしてディロンの献身ぶりに感動です。私にとっては数々読んだハーレクインの小説の中でもお気に入りの一冊に入ります。
恋は素敵な魔法 (エメラルドコミックス ロマンスコミックス)
スランプに落ち入ったマジシャンであるヒーローに
弟子入りしたヒロイン。でもそのヒロインはドジばかり。
ところが、逆にお客様に大受け、ショーは大成功!!
楽しくトラブル続きの巡業中に愛が芽生えていきます。
お互い欠点だらけの人間味溢れる二人の恋は、
笑えるところが一杯で、読んでいて楽しくなります。
橋本先生の絵も最高!!かなりワイルドなヒゲのヒーローが、
ヒロインの危機となると、思いっきりケダモノになるのが、
ステキでした。
明るい気持ちになれ、読後感も良くお勧めです。
不思議の国の公爵 (エメラルドコミックス ロマンスコミックス)
公爵が友人とのゲームで歩いて旅をする中で、
望まぬ結婚から逃げる少女を助けるお話です。
貴族の世間しか知らなかった公爵が、
庶民の本音にショックを受けたり、潰れそうな
ホテルを助ける為に宴を催したり、楽しい展開の中で、
公爵と少女の愛が育っていくのが、ワクワクしました。
身内違いの恋に悩む二人ですが、最後はお約束の
大どんでん返しで、ハッピーエンドです。
因みに絵はハーレクインにしては綺麗で、公爵が
凄くかっこいい!!もちろんヒロインも可愛いらしく、
安心してラブストーリーにどっぶり浸れます。
やさしい闇 (エメラルドコミックス ハーレクインシリーズ)
ローラが派遣されたのは、お城。城主リチャードは体に傷を負っているため人前に出ず、そのため、半分「怪物」扱いに。ローラの仕事は、母を亡くした娘の子守。ローラが憤慨するのは、リチャードが自分の前にも、娘の前にも、その傷ゆえに顔を見せないこと。美女は野獣(リチャードが自分で称しているので)を手なずけることができるのか?
美しい物語です。
テンポのいい幕間に感じ取ることができるのは、リチャードの、苦悩。奥さんの拒絶が、リチャードの心にひどい傷を作った…そのことが、台詞だけではなく、主人公たちの所作からひしひしと伝わってきます。だからこそ、より切ない。会話だけに頼らないからこそ、リチャードをより親身に感じることができ、その心の動きを読み、一緒に涙を流すことができるのだと思います。これが、この物語のすべて。もし、会話に終始するようなことがあったら、「それくらいで、そんなになるなんて」と思ってしまったかもしれません。
スバラシイ、再生の物語です。