Absence
米フィラデルフィア出身、視覚過敏を保護する為のサングラスが特徴的なSSWメロディ・ガルドーの3作目。
ガルドーを紹介する際デビュー迄に辿った波乱万丈な経緯が注目されがちであり、それ故か彼女のイメージは何処か陰りを帯びた
もので従来の作風もまた然りであった。前作からの空白期間、彼女はモロッコ・ポルトガル・アルゼンチン…と世界各地を巡ったそう
で、この新作では旅で得た異国の地への印象を音楽へ反映させ、これまでとは異なる軽さを纏った表情も魅せる。
冒頭を飾る「MIRA」がその変化を端的に示す。躍動する乾いたラテン・パーカッションと、その上を軽やかに駆けるガルドーの憂いあ
る声、一見相反する二者が絶妙に溶け合った音楽は夢心地、彼女の個性を活かしつつ新たな表情を引き出した一曲だ。他にも弦楽
器やボッサ風ギターに揺れる彼女の歌の心地良さに微睡む「So Long」等初盤曲の軽さと開放感が一際印象的。
本作のプロデューサー、ヘイター・ペレイラによる秀逸な仕事振りに注目したい。彼は一時期シンプリー・レッドのギタリストとして活躍
、その後映画作曲家・ハンス・ジマーの門下につき「恋するベーカリー」を始め映画音楽を多数手掛ける。
ガルドーの繊細な歌をより魅力的なものに演出した彼の才能は、特に後半のブルージーな楽曲で光る。低く鳴り響くベースを基調とし
、ピアノ・管弦楽器・ユニークな楽器類を散らした創りは彼女の歌を遮ることなく逆にくっきり浮かび上がらせる。時折音の空白を用意
し歌のみを残した部分では、言葉の末尾を崩したり、ため息を交えたりとその達者振りを逃さず伝える。他にも細やかなオーケストラ使
いやラテン的哀愁を表現するバンドネオンの挿入等、楽曲の空気感を創出するのに長けた処はいかにも映画音楽家らしい。
新機軸を加え従来以上に多彩な音で彩られる本作で逆にガルドーの声の存在感を再認識させられた部分も。どんな音を背後に迎え
ようとガルドーの声自体が音楽の色を決めてしまう強さがあり、その為大きく作風が変化した印象はない。
ペレイラの好援護を受けガルドーのディープな歌に程良い浮遊感の加わった本作、彼女の作品中では最も聴き易く気に入っている。
※内容とは異なる処で気になったのが終曲「IEMANJA」。初盤4分と終盤3分に歌とインスト演奏が現れ約10分の空白を間に挟む。最
近この類のボーナストラック的構成が多いが、毎回空白部分を先送りして聴くのは結構面倒だ。いっそ10分の空白トラックを独立させ
間に置くことでトラックを分離して欲しい(実際そういった編集を施したCDもある)のは自分だけだろうか。
Eternal MelodyII
レビューを書いといてなんですが、正直、このアルバムほどレビューを書きたくて、書きたくないと思ったアルバムは初めてです。
なぜなら、このアルバムをこれから聞く方にありのままの事を感じてほしいからです。もうこのアルバムには「元x japan」yoshikiの姿はありません。音楽に人生のすべてを注ぎ込んだ音楽家のyoshikiが映し出されています。このアルバムを聞き終わった後に僕は音楽の本来の姿を見たような気がしました。音楽というのは「自分の本当の感情を出す事ができ、自分の世界を表現することが出来る。そして、たった1人でも人間に力も与えるもの」他の方はどうかはわかりませんが、僕はそうゆう力を持つものだと思っています。純粋に音楽を愛するyoshikiだからこそ、まったくメディアにも出ず、それこそ閉じこもってまで音楽を作っていけるでしょう。yoshikiのファンの方にはもちろん、それ以外の方にもこのアルバムを聞いて欲しいです。そして、聞き終えた後、音楽の持つ力を意味を改めて考えてみてはどうでしょうか?もしかしたら、あなたの音楽に対する考え方が変わるかもしれません。
メモリアル100曲集~由紀さおり安田祥子童謡コンサート2000回記念~
これまで安田姉妹が録音してきた曲から100曲(!)選曲して、しかも4時間近い内容には、頭が下がります。
安田姉妹の全CDを購入した方には要らないかもしれませんが、初めての方の入門用には最適ではないでしょうか。現在の学校の音楽では、こういった童謡などは少なくなって、知らないお子さんのためにも購入をすすめます。