阪急電車 (幻冬舎文庫)
16の短編から構成されている話だが、登場する人たちが微妙にリンクして
いるのが面白かった。それぞれにそれぞれの人生を抱えているのだが、電車の
中で知り合った人の何気ないひと言で、その後の人生の方向を変えようと
する人もいる。ある人の人生を変えた人、その人が今度は電車に乗り合わせた
別の人から、思わぬアドバイスを受けることもある。人生は持ちつ持たれつ。
電車という限られた空間、限られた時間の中で繰り広げられる人生ドラマ。
その凝縮度がとてもいい。また、登場する人たちみんなが、前向きで生きて
いこうとするその姿も、とてもいい。読後もさわやかな心地よさが残る。
何度でも読み返したくなる作品だ。
阪急電車 片道15分の奇跡 [DVD]
これは大傑作です。
電車には悩みを抱えた人が乗っている。その人たちの間で次々に渡される、ちょっとした言葉のバトン・リレーが悩みをふっきる元気を与えてくれる、近年稀にみる幸福感にあふれた素晴らしい映画。
往路と復路で、バトン・リレーに加わった人たちの境遇や季節も違いながら、整合がとれている。
現実の電車の中ではありえない夢のような話だが、誰でもこんなことがあればいいな、と思っているのではないだろうか。まさに映画は夢を形にしてくれる。
そして、何となく現実味を感じるのは、舞台が阪神間だからだろう。震災を経験し、多くの人の善意の交換があった土地。その阪神地区ならではの空気を見事に掬い取っている。
原作小説から1カップルの話がスピンアウトし、微妙に筋も変えられているので、原作と比較するのも一興。(ディスクを1枚増やすなら、そのDVD化されているスピンアウトしたカップルの話も収録してくれればなお良かった。)
多彩な女優の競演が豪華だが、やはりバトン・リレーの口火を切り、関西のおばちゃんグループを一喝する宮本信子の貫禄が一番光る。
阪神なんば線開通記念!阪神電車1000系 [DVD]
鉄道雑誌で開通したのは知ってましたが、DVDで発売しているのを最近知りましたので、購入しました。
阪神本線三宮駅を出発して、尼崎からなんば線へ、途中桜川で近鉄の乗務員に交代して、大阪難波へ・・・。引き上げ線であった場所を進行している時は、昔を懐かしんでしまいました。あとは終点の奈良まで近鉄区間を快走する。
希望としては、近鉄車両で収録されていると嬉しかったのですが・・・。
山陽姫路〜近鉄名古屋が一本に繋がってますから、直通車両が走るとすごいことになりますね。
Train Simulator 阪神電気鉄道 Windows版
梅田〜高速神戸間を様々な種別で走行でき、それぞれに減点方式で試験にチャレンジできます。
制限にしばられずに楽しみたい人には、減点のないフリーモードもついており、自由な楽しみ方ができます。
景色は実写で、加速、減速に伴う走行音も考慮されており、リアルに楽しめます。ただし特急、山陽直通特急、快速急行以外は梅田からのスタートではありません。
鉄道ゼミナール音楽編
向谷実&SUPER BELL"Zによる、国内大手私鉄各社のテーマミュージック集です。
特筆すべきは、16と19で聴けるカシオペアサウンド。
すぐに野呂一生さんの音とわかるギターを聴くと、思わずうれしくなります。
「Train Simulator」に収められていた曲の再アレンジとはいえど、現在活動休止中のカシオペアの演奏が新譜で聴けるのは、何とも得した気分です。
もちろん、全編にわたり鉄道ファンとしても楽しめる構成になっています。
京浜急行のいわゆる"ドレミファインバーター"をベースとした曲(8)には思わずウケてしまいましたし、京阪電鉄の発車メロディーメドレー(14)も待望のCD収録です。
小田急沿線在住としては、向谷さんらしさが感じられる小田急のイメージ曲(6)もうれしく、本当に発車メロディーか列車接近メロディーとして採用してくれないかな、と思ったりします。
向谷さん作の曲は、「向谷節」ともいえる音の使い方が表れていて好きですし、SUPER BELL"Z作の曲は鉄道エンターテイメントとして素直に楽しめます。もっとも、SUPER BELL"Z作の9は、クレジットを見るまで向谷さん作の曲かと思ったほどで、お互いに影響しあいながら作品作りをしているのだなぁ、と感じました。
鉄道ファン向けの作品ではありますが、音楽としてのクオリティも高く、いろいろ楽しめる一枚です。