声マン ドラマCD「新説・こころ」
本当に必要最低限のエピソードしか語られないため、展開が急に感じる。特に「先生」の過去の話はもう少し丁寧に描いて欲しかった。(フリートークを削ってでも)
「こころ」のおおよそのストーリーは、大抵の人が知っていると思うが、やはり説明不足な感は否めないため、しっかり原作の話の流れが頭に入った上でこのCDを聞くことをおすすめする。より、この作品を楽しむことが出来ると思う。原作の朗読をする部分は大変すばらしかった。
そもそも原作の文章が非常に美しいので、全体的には良い印象が残るし、面白い試みだとも思うがその分「惜しい」と感じる部分が目に付いてしまった。
「こころ」がBLになるなら、今度は堀辰雄の「燃ゆる頬」を…と思わずにはいられない。
それから [DVD]
百合の花、そして赤。これは原作「それから」で外せないキーアイテム。ともすれば森田監督の過剰演出と取られがちですが、実は原作通りの演出。しかし映像化ではどう表現するかが難しいこれらのアイテムを本作では見事に表現しています。
ATGとは違い、漱石文学のエッセンスをそのまま凝縮したストレートな表現と解釈。しかしそれを、現代の観客を飽きさせないように現代風に味付けした絶妙の匙加減。そして素晴らしい音楽。
これぞ名作です。今までDVD化されなかったのが不可解です。「冬のソナタ」や「せかちゅう」、「赤いシリーズ」のリメイクが流行る今だからこそ、また再評価されるべき作品です。
ただ惜しむらくは、松田優作BOXの単品化のせいでしょうか、パッケージデザインと「And Then」というタイトルが、ハードボイルドで、イメージが・・・。パッケージが藤谷美和子のオープニングの儚いセピア調の写真で、オリジナルの映画にも使われていた、原本通りのフォントだったら言うことなかったのに、それが残念です。でも、星は減らさない、それほど名作です。
声に出して読みたい日本語
昔の人はよく音読をした。
御武家さんの子弟が論語などを音読し、字面より音で体に覚えさせたのはその典型だ。これは近代にも続いた。
新聞を読む時に音読するお爺さんお婆さんも、少し昔までは良くいたらしい(30年位前まで)。
そういった意味で本作はCDを軽く聞いて、お気に入りの文章・言葉を音読するといった楽しみが一番だ。
また文字のみでは読み方が分からない言葉がある。本書で読み方が判明したものもあった。
とにかくリラックスして聞くことで初めて楽しめる本だ。
私の子供は8歳だが、ごくたまに聞いただけなのに「坊ちゃん」、「平家物語」、「じゅげむ」などなど暗唱している。
お気に入りの言葉は特に覚えており、興味ない言葉でも自然に部分的ではあるが音で覚えているようだ。
その点でCDは重宝している。しかし難を言えば、飽きる点だ。もう少し楽しめる工夫が欲しい。
DS図書館 世界名作&推理小説&怪談&文学
懐かしい本を読みたいけれど、買うとなると…。と悩む時に良いソフトだと思います。書体が選べるのは、ジャンルによって使い分けられ、気分も変えれる為気に入っています。自動しおりも、急に中止しなくてはいけない場合に便利です。
ただ、左画面の文字が、薄く見にくい感じは否めません。
3000円代のソフトに120以上の作品が、和洋で入っているのは、とても気に入りました。
吾輩は主婦であるDVD-BOX 上巻「みどり」
本当に面白かった!! 脚本もいいのですが、演じている役者さんたちが良かったですよ。
宮藤さんのものは若い主人公のものが多いけれど、これは大人たちが主役で、やはり演技力が違うな〜と思いました。
主役の斉藤由貴さんは、最近テレビで見かけませんが、
元々とても演技の上手い人でしたし、今回もまさに「主婦に乗り移った漱石が乗り移った」状態で、まさにはまり役です。
可愛くおかしく、切なく面白く、奥さんなのにおっさん、という難役を、軽やかにこなしています。
及川光博さんも、意外にも! 実にパパ役がはまっています。 愛情あふれる普通のパパを熱演していますよ。
仲良し夫婦ぶりも、かわいらしくて微笑ましく、主演二人の息がピッタリです。
そして竹下恵子さんの、おとぼけお姑さんのおかしさ!
こんなに軽やかに喜劇を演じる方とは、おみそれしました。