エマの最終巻。人生のもっとも幸福な瞬間で幕、である。残念なことに登場人物をよく覚えていないので、私にはその感動がいま一つわからなかったが、こうした弾けるハッピーエンドはこの作品に相応しい。もっとも、結婚式を前にしてエマが早々と若奥様風になってしまったのは少し寂しく、そうした意味では巻頭の「自転車」の方が、かつてのエマを彷彿させて微笑ましいエピソードであった。
考えてみれば大変なのはこれからである。上流社会の生活になじむのは並大抵ではないはずであるし、謂われなき差別もあるだろう。それにあと10年余で世界大戦が起こり、ロシアで革命が起こるのだ。苦労の種は山ほどあるだろう。
どんなシンデレラ・ストーリーも結婚で終わるのが必然だとわかるのは、残念なことにそれを肌身で感じる年になってからのことである。でも悲しい思いや苦労をたくさん乗り越えて、ようやくここまで来たのだから、エマには幸せになってほしいと私は思う。
みんな笑顔おすすめ度
★★★★★
やっと、そしてとうとう…の最終巻です。
ラストはもちろんこの作品の読者みんなが望んでいたエマとウィリアムスの結婚式。
ハッピーエンドです。
こうなる事は最初から解っていたけれど…セオリー通りにいってくれるかどうか解らないのが『漫画』という物で、もしかしたらアンハッピー、バッドエンドもあるかもしれない?と多少の不安を持ちつつも、ずっとずっと見守ってきたのがこの作品ですよね。
それは本来の本編が「匂わせつつも確実なハッピーエンドではなかった」からかもしれません。
あれはあれで私は満足なラストだった訳ですが…
それ以降に続く番外編で、「エマ」の世界がどんどん深く広がっていく中で
「でもやっぱり、エマの幸せになった姿を見たい」という思いが膨らんでいきました。
細かい感想も批評も何も書きません。
ただ、私はこの最終巻を読み終わったとき、無意識にも満面の笑顔になっていました。
きっとこれを読んだ読者の皆様も、同じ顔をしていたはずだと思います。
それが何よりのこの作品への感想では無いかと思います。
森先生、本当にありがとうございました。
ようやく!おすすめ度
★★★★☆
大団円、大盛り上がりの最終巻、というよりそれぞれのキャラクターを爽やかに収束させていくといった印象を受けました
エマとウィリアムだけでなく、たくさんのキャラがそれぞれに個性的で
単なるメイド、ヴィクトリア朝ものだけに終わらない、いい作品です
個人的にジョーンズ家とメルダース家の旦那様と奥様、執事がとてもいい味を出していて好きですね
特にジョーンズ家の執事・スティーブンス絡みの4コマは必見です!
作者・森さんのこだわりの作画は全巻通して貫かれていて
お屋敷やドレスを見るだけでも楽しいです
モノクロの美麗さ。おすすめ度
★★★★★
番外編が相次いだ『エマ』もついにシリーズ最終章。
内容についてはすでに皆様が十分仰っているので、
ちょっと視点を変えてのレビューです。
アニメにもなりましたが、やはり漫画のほうが
数段“映像的”で見ごたえ抜群。
その「モノクロ」の美しさこそが作品のよさだとおもえるからです。
この頃の英国って「モノクロ」さが
とても似合っている時代(実際、“黒色”が流行っていた時代でもあり)。
風景や建物、服やレースのひだやフロックコートに
いたるまで“黒のペン”で描かれてこその魅力があると感じています。
ブックカバーもカラーではあるものの、ひときわ輝いているのは
「黒色」ウィリアムのスーツ、裏のアーサーたちパブリックスクールの
制服。ああ、「黒光」の美しさといったらないですね!
出来は非常に良いです。
おすすめ度 ★★★★★
背筋にゾゾゾという感覚が走りました
。TOP100ランキングに入っているのでご存知の方も多いと思いますが、
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。