伊勢正三のセンスが光っていたおすすめ度
★★★★★
伊勢正三の作る詩には本当にロマンがありました。特に、「君と歩いた青春」「22才の別れ」「暦の上では」「北国列車」等、男女の愛をきれいに、本当にきれいに描いていたと思います。メロディもさることながら、その歌詞の世界に心を揺さぶられたものです。「君と歩いた青春」は掻い摘んで言えば、グループ交際から抜駆けした二人が結局別れることになって、女性が元の仲間に戻る・・・、という他愛無い内容なのですが、詞・曲とも素晴らしく、また、当時ファンだった太田裕美も自分のLPに入れていたこともあって、私自身の青春時代のよき思い出となった曲です。
しかしながら、彼らは後年、当時のニューミュージックの流れに沿うが如くエレキサウンドに移行していきます。それは最初のアルバム(windless Blue)こそ良かったものの、以降はどうしても初期の勢いを越えることが出来なかったようです。やはり、彼らはアコースティックでこそ生かされるバンドだったように思います。なお、このアルバムでは相方の大久保氏も何曲か歌っているのですが、正直言ってヴォーカルに伸びがなく、曲の出来もベスト選曲でもイマイチの感があります。(ファンの方ごめんなさい)
このCDは彼らの集大成で代表曲が収められています。すべてが名曲であると言えないのがつらいところですが、今聴いても決して損はないと思います。
凄いの一言
おすすめ度 ★★★★★
とても面白いじゃないですか
。値段の割には上出来。
ご参考になれば幸いです。大変お勧めですよ!!
概要
元かぐや姫の伊勢正三が大久保一久と結成したフォーク・デュオ"風"の2枚組ベスト。「22才の別れ」のイメージがあまりにも強いため、彼らを単なるフォーク・デュオと思っている人も多いかも知れないが、76年にリリースした3作目の『Windless Blue』以降の作品では、アメリカ西海岸のロックやAORから影響を受けたさわやかなシティ・ポップを聴かせてくれる。たとえば、77年の4作目『海風』のタイトル曲「海風」や「トパーズ色の街」は、キリンジあたりにも通じる極上のポップ・センスを発揮した好楽曲に仕上がっており、初めて聴く人はきっと驚くに違いない。メロディ・メイカーとしての彼らはもっと再評価されるべきだと思う。 (木村ユタカ)