信じる者は救われるおすすめ度
★★★★★
ベルイマン自身は神の存在を信じているのかと問われれば、やはり信じているのではないかと思う。目に入れても痛くない娘カーリンを強姦されたあげく殺され、しかも自ら復讐のために殺人を犯すテーレ(マックス・フォン・シドー)。神が与えた過酷な試練により、テーレ一家は絶望の淵に追いやられる。「それでも私は許しを請う。そうでなければ生きていけないからだ」と泣き崩れるテーレがカーリンの亡骸を抱き上げたその時、試練に耐えた一家の前に<泉>となって神が姿を現すのだ。
最後の晩餐を思わせる一家の食事風景や、ラオウのように強盗殺人ブラザースの寝覚めを待つ怒りに燃えるテーレ、そしてエンディングのピエタと祈り。スヴェン・ニクヴィストが撮ったこれらの映像は、宗教画のごとき荘厳な雰囲気をかもし出している。極東の民族には想像もつかないくらい重いテーマである<罪の意識>そして<信仰の意味>について言及した問題作を、重厚な映像でつづっている。
しかし、ベルイマン作品のDVDがTSUTAYAに置いていないのなぜだろう。BSでもほとんど放送されることのない彼の作品を見るためには、AMAZONでDVDを買うしかないのである(宣伝しときました)。絶望の淵に沈んでいた私に一筋の光明がさしこんだ。年末、おくらばせながら、BSでベルイマン特集が放映されます。興味のある人は要チェックですよ。
復讐から生まれたものはおすすめ度
★★★★★
映像良し。俳優良し。緊張感あり。
清冽な映像美の中に、突然現れる衝撃的な強姦シーン。
白黒なのに芸術的なのに、あまりの生々しさに初めて見た当時、とてもうろたえた覚えがあります。
クリスチャンではない日本人には、今ひとつ実感としてわからないことがあるのだろうけれど、それを抜きにしても、映画芸術が到達しうる最高峰だと思います。
白黒なのに、ではないですね。白黒だからこそ光と影のコントラストが生きて、見る側に説得力をもって迫ってくるのでしょう。カラー作品からの後追い体験なので、リアルタイムの時代状況はよく知りませんが、ベルイマン作品の中では、わりとわかりやすいほうで最も重要な作品だと思います。必見。
無意識に焼き付けられる映像美おすすめ度
★★★★★
教会へと急ぐ一人の純真な少女を、羊飼いと名乗る男達がレイプし、殺してしまう。少女の父親は復讐を果たすが、宗教的倫理に反した自分の行動に疑問を抱くと共に、神の無情さを解くが・・・
私にとってこの映画は思い出の一本である。と言うのは、この映画を見終えその世界に浸っていた私は、うたた寝をしてしまった。そして生まれて初めて「白黒の夢」を見たのである。内容は覚えていない、しかし綺麗だったと自身を持って言える。だがそれは私の想像力によるものではない。ベルイマン監督の想像力と言い切っても良いだろう。つまりこの映画の最大の魅力は無意識に頭に焼き付けられる映像美ではないだろうか。
また、無宗教主義のベルイマンが、このような宗教的な映画を撮っていることにも驚かされた。
まさに心と頭に残る一本だ。
すばらしい
おすすめ度 ★★★★★
届いてからずっと気に入っています
。とにかくこれは絶対買いだ!
感動やドキドキ感を手元に置いて、私同様に何時でも手に取って思い返して頂きたいと願います。