黒澤映画もスローテンポの映画になってしまい以前のような迫力のある活劇が撮れなくなってしまった。もうこの時代カラーでこれだけ迫力のある時代劇を見ることが出来なくなってしまった現在の日本。そのためカナダでロケを敢行して撮ったものです。しかし話の内容、人物描写などを考えればはるかに薄い。物語として必要最小限にとどめて合戦の迫力を追及した作品です。上映時間を1時間59分にしたのは客の回転をよくするためで当時毎週週末の新聞の映画宣伝欄に「公開何週目で〇〇億円突破!!」と載っていました。チケットも金券屋で格安に買えました。最初から興収額が決まっていて当時流行りだったメディアミックスにみんな踊らされてしまいました。
渡辺謙ならさらによかったがおすすめ度
★★★★★
謙信公の役が、渡辺謙ならさらによかったが、それでも傑作であると思います(渡辺謙は謙信公ゆかりの新潟県出身であり、さらに【謙】の字は謙信公に因んだものであるという。この映画では、白血病でやむなく降板した経緯がある)。
毀誉褒貶が激しいこの監督の最高傑作であり、カナダロケの自然もよい。
衣装も色使いが見事で、映像として美しいし、清潔な流れがある物語は、謙信公をよく現しているのではないか。
馬はサラブレッドではありませんよ。あまりいいかげんな知識で書かないこと。
繋を見れば違うのは一目瞭然です。
日本の馬が使えないのは当然ですが(まさかカナダまで動物検疫を経て運ぶ?)、たとえ当時の馬を使ったとしても、今の感覚からすると貧相なほど小さな馬でしょうから、洋種とはいえ、この点に問題はないはずです。
かなり良作です。おすすめ度
★★★★☆
あくまでも娯楽映画としてですが、非常に楽しませてもらいました。
圧倒的な人数による、戦国時代の日本の戦いが見れたのは、かなり感動ですね。
正直、当時の細かな情報もなく、かなり架空な戦闘ではあるものの、圧倒的な人数から生み出される迫力があります。
役者の演技も悪くなく、心に残るセリフもそれなりにあります。
確かにエキストラの動きはかなり悪いのですが、かといって武術を学んだ人間を何千にも集めるのは現実的に不可能であるので、これで十分でしょう。これだけの武具を作っただけでも評価に値すると思っています。
戦闘シーンは完璧ではないものの、実現可能な範囲で精一杯やっていると思いますね。
音楽も非常に良く、サントラで改めて聞きたくなります。
時々、ライブラリから引っ張り出して、その怒涛の戦闘シーンと、駆け引きの緊張感を味わいたくなる一本ですね。
上出来
おすすめ度 ★★★★★
出来は非常に良いです。これを知らずして新しい時代のエンターテイメントは語れません。
ホント満点を付けても良い出来です。
概要
戦国乱世の時代、後に上杉謙信と名乗る越後領主の長尾景虎(榎木孝明)は、配下の裏切りや女子どもをも切り捨てる非情な戦いに苦悩しつつ、やがては生来の優しさを切り捨てて、宿敵でもある信濃領主・武田信玄(津川雅彦)と川中島にて雌雄を決する戦を繰り広げていく。
海音寺潮五郎の同名小説を原作に、時の角川映画総帥・角川春樹が自らメガホンを握り、製作費50億円をかけて製作したスペクタクル時代劇超大作。日本の四季を織り交ぜながらストイックな情緒を強く訴えつつ、その中で神がかりとも言うべき宗教的色彩を色濃く出しながら、人が運命の波の中で鬼と化していくさまが見事に描出されており、まさに角川映画を代表すべき意欲作に仕上がっている。川中島合戦シーンはカナダ・ロケにて撮影。当初、主役は渡辺謙だったが急性白血病のために降板を余儀なくされ、榎木孝明が代わってその大任を果たした。なお、この劇場公開版は上映時間2時間以内という配給会社との確約の下で作られたものであり、のちに角川はディレクターズ・カットなる特別編156分と、海外戦略のための海外版104分を製作。本DVDには特別編の合戦シーンが特別収録されている。(的田也寸志)