暗さが気にならない人にお勧めおすすめ度
★★★★☆
死んでしまう男たちと、死なずに逃げ続ける女の対比があざやかな映画である。
どうでもよいシークエンスの中に、忘れがたいものがある。
岸部一徳演ずるホテル経営者が、酒場で「ひとり酒にはもう飽きた」と叫ぶ。そこに漂う絶望の深さに、おののく。
女はなぜ死に向かわないのか。ヒントは彼女のせりふにある。自分をレイプした男に対して、彼女はこうつぶやく。「あんた、あたしにあやまっても、いいんよ」。あなたは私に謝罪することもできるのだよ。なんという深い言葉だろう。彼女はこの時点で気づいている。命の価値には差がないと。
ある男のいのちも、ある女の命も、全く等価である。仕事や容姿や年齢や能力や人脈など、些末な属性には全く関わりなく等価である。それに気づいた彼女が、可能なかぎり、生命を保持しようとする。
監督は、みずからの絶望をヒロインに託して、海原をなおも泳ぎ続けようとしているのだろう。
俳優陣の演技力!!おすすめ度
★★★★☆
自分は映画を見終えるまで、この映画は事実に少し手を加えた半ノンフィクション作品だと思っていました。そのくらいこの映画の中での演技、演出等がすごくリアルだった。
特に藤山直美の演技!!これは演技じゃなくて素だろ!っと思うほど。それに加えて周りの役者も好演。この好演があってこそ主演がより生きた。演出、セリフもすごく良い。印象に残る場面も多くあった。そう考えるとすべてにおいて違和感を感じるような穴がない。
だからこんなにも現実感のある映画になったんだなぁと思う。(DVDのパッケージがなんだかリアルに感じたのも理由の一つ。)
また、この映画は殺害シーン、ラストシーンにおいて見てる側に想像を委ね、全てを描かないところが良かった。
しかし、ただ一つ気になったのが映像が暗すぎてよくわからないところがあった部分。
それと簡単に星5つはあげれないということで星は4つ。
ですが良作です!
主演藤山直美の『顔』の変化に注目してぜひ観てみてください!”
深夜枠で・・おすすめ度
★★★☆☆
面白かった。このような逃亡劇はよくある内容だが、役者さん達がそれぞれいい味を出していた。
最後は、あれは捕まってしまうのでは・・・?
どす黒い後味おすすめ度
★★★★★
見終わった後、舌の上にザラザラとした
どす黒い後味が残りました。しかし、それが
不思議と嫌ではない感触。
藤山直美氏の演技の素晴らしさは言うに及ばず、
他の俳優、女優人陣が、良い、良い~~~い。
私なら特に、女友達に勧めたい作品。
顔、は、女なら、気にしてないふりしてても、
絶対気にしている大切な場所。特に、自分の顔ならなおさら。
BGM(アコーディオン奏者の、Cobaさんの曲)
も、すっごく良いです!!
せつない…おすすめ度
★★★★☆
ストーリー的にはありがち…って感じもしますが、
藤山さんの演技と演出のせいか、
観ていてとても…切なくなっちゃいました。
上手に作られている作品だと思います。
・・・けど、レンタルで十分かな。(^^;;;
素晴らしい出来栄え
おすすめ度 ★★★★★
言うまでもなく最高峰
。これだけは手に入れようと思い購入を決めました。
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!
概要
母の葬式の日、仲の悪かった妹を殺してしまい、逃亡生活を続けるはめになった中年女性・正子。しかし、転落していけばいくほど、なぜか彼女は魅力的に輝き始めていく…。
喜劇名優・藤山直美の映画初出演が話題になった、一風変わったヒロイン映画。これまで男の世界を描き続けてきた阪本順治監督は一転して、はじめは引きこもり気味の生活を送っていたネクラ女性が、次第に別人のようにタフになっていく過程を、実にリアルに、そしていつしかさわやかに活写していく。同年度の映画賞主演女優賞は当然ながら、ほぼ彼女が独占した。彼女に絡む共演者も、豊川悦司に大楠道代、國村隼、さらには彼女の処女を奪う通りすがりの男に何と中村勘九郎など、いずれもひとくせもふたくせもありそうなのがいい。(的田也寸志)