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蔵人 5 (5) (ビッグコミックス)

尾瀬 あきら
おすすめ度:★★★★★
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連載中の作品へのレビューは書かないつもりだったけど。。。
おすすめ度 ★★★★★

 20数年来の我が愛読誌『ビッグコミックオリジナル』にこの作品の連載が始まり、しばらくは「どうなることか」と固唾を呑んで見守っていました。と言うのも、僕には尾瀬あきらさんの名作『夏子の酒』を読んで大いに感動した過去があるので、再び酒造りを主題にした作品で前作同様に酔えるだろうかと思ったからです。
 しかし、その心配は杞憂でした。出雲の酒蔵で日本酒造りに挑む日系3世のアメリカ人男性クロードを軸に、母親と共に居酒屋を経営する女性・せつ、クロードの親友で酒造家の若専務・宏、こだわりの酒屋店主・安本、そして戦前に生にこだわり酒を造っていた老杜氏・正司、その息子で米作りに丹精を込める勝弘など、出揃った役者たちがうまく絡み始めて俄然物語が面白くなってきたのです。
 『蔵人』も『夏子の酒』と同様に、お酒を「作る」「売る」「供す」ことや、その原料となる米を作ることに対して、真摯なこだわりと深い愛情を持つ個性的な人たちがぶつかり合い、互いを高め合い、そして支え合って生きていくという展開になっています。そこには労働の喜びや、自然との関わりの荘厳さ、人間同士のつながりの素晴らしさなど、僕たちの人生において最も基本的で重要なことがストレートに描かれています。でも雰囲気が重くならないのは、尾瀬さんの描く人物や風景の絵の線が柔らかいことと、頑張り屋でとても魅力的だけど、どこかズッコケたところのある爽やかな女性・せつの存在があるからでしょう。
 こういう作品を読むと、また美味しいお酒が飲みたくなってくるから困りものです(笑)。連載中の作品は評価するのが難しいのでレビューは書かないつもりだったのですが、今回は作品へのエールのつもりで書かせていただきました。



野田酒造の夢
おすすめ度 ★★★★★

クロードの念願の野田酒造の再建。自転車で月へ行くと批判されたものですが、また新たな縁が加わります。外見も良く似た、そして廃業してしまった蔵、高松酒造。

高松酒造の蔵元は、蔵を売却したいと訴えますが、巻の最後では考えも少し変わったのではないでしょうか。クロードの気持ちだけでなく、せつの思いも伝わったから。

そんな展開とは別に、岩下酒造でも、キモト(漢字でない)作りという新しい試みがなされます。やはり、ここにも廃業してしまった野田酒造の杜氏が加わり、クロードの進むべき道を、乳酸菌が酵母のために道を作るみたいに、作って、教えて、伝えていきます。

クロードの夢は、一歩近づいたのか、それとも遠のいたのか。



はっきりいって、すさまじい出来です。
おすすめ度 ★★★★★

まさに夢のコラボです 。これを知らずして新しい時代のエンターテイメントは語れません。
買って良かったと思います。


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サルゲッチュ 尾瀬あきら Quest of D