ヒトラーの戦艦―ドイツ戦艦7隻の栄光と悲劇 (光人社NF文庫)
いまいちマイナーで日の当たらないドイツ海軍だが、意外と邦訳は出ている。その中でも本書は、7隻の戦艦に的を絞って叙述しているのがユニークである。
日本の戦艦は隻数だけは多いが、太平洋戦争ではほとんど活躍できずに終わった。例外と言っていいのはヘンダーソン飛行場砲撃くらいか。
ドイツの戦艦も同じく負けはしたのだが、そのドラマチックさは日本の比ではない。開戦直後のグラフ・シュペーの神出鬼没の活躍と無念の自沈から始まって、ビスマルクの勇壮ではあるが悲劇的な逃避行、相次ぐ犠牲を受け「フリート・イン・ビーイング」に切り替えフィヨルドに引きこもったティルピッツと英空軍との対決……と7隻の戦艦それぞれにドラマがあるのだが、それらを簡潔にまとめエッセンスを引き出した著者の達意の文章もすばらしい。
著者はほとんど批判めいたことを述べずただ淡々とありのままを描いてゆく。イギリス人は敗北を愛でると言うそうだが、行間から敢闘精神を発揮して惜しくも敗れたドイツ海軍将兵への尊敬と友愛が感じられた。
そのイギリス海軍は圧倒的優位に立っていたと思われがちだが、世界中に押さえの艦隊を張り付けねばならないため、それほど有利ではなかったようだ。
本書を気に入った方には、C.D.ベッカー『ドイツ海軍戦記』を奨めたい。同じくUボート以外のドイツ海軍の奮闘をつづったものである。
測量士補受験の基礎―基礎知識と問題解説 (国家・資格シリーズ 44 合格用テキスト)
イラストや写真が多くてわかりやすい。説明なども基本から丁寧に記載されてます。これから測量士補を目指してみようという人にオススメ!