あしたのジョー <Blu-ray>プレミアム・エディション(特典DVD付2枚組)
小さい頃に家にあった原作に出会い、惚れ込んでその後残りの単行本を
自分で少しずつ買い集めた生粋の原作ファン。
まさか今ごろ実写化とは。驚きました。
完成度の高い名作故に、思い入れの深い読者も多いため、
映画公開前後はかなり批判的なレビューがあったのも事実。気持はよくわかります。
登場人物はボクサー。
「医者です」「弁護士です」と名乗った後に演技で
それらしく見せれば成り立つ役とは違います。
この作品は、そこが第一関門だと思いますが、映像の中の
ジョー役の山下くんと力石役の伊勢谷氏の限られた時間内につくったあの身体は、
ストイックなトレーニングの積み重ね以外に実現は不可能。見事に作られた肉体でした。
有名な減量測定シーンも、CG無しの生身の身体だといいますから。
写真だけみるとコスプレギャクでしかない香川氏は、体型も年齢も顔も、
マンガの段平とはかなりイメージ違いますが、
哀れなほどに拳キチなその姿は「実写段平」としての迫力と存在感がありました。
そのうち、あのメイクが次第に気にならなくなっていたのは不思議です。
ボクシング指導の梅津氏やキャストの方々のいくつかの
インタビューなどを読むと、キャスト・スタッフが全力で取り組み、
模索し追求しながら映画を創りあげていく過程において、
彼ら自身があしたのジョーの奥にあるテーマをリアルで体験しているような
印象を受けました(葬式では、写真を見つめていたら大変だった練習の日々を
思い出して梅津氏は本泣きしていたとか)。
それがこの作品の迫力につながったようにも思います。
作品としてどうかと言えば、2時間で世界が表現しきれるはずはないのですから、
完成されたものを期待してはいませんでした。
実際に、描き方に不十分な部分も多くあり、作品として完璧ではありません。
原作と違う、そうじゃない、原作を汚す、など不満の声も目にしました。
しかし少年マンガの金字塔とも言われるこの名作が、
そんな簡単に汚されるものなのでしょうか。
元気を失っている今の時代に、見栄も外聞もなく、時に醜態をさらけだしながらも
底辺から這い上がろうともがく男達の姿を、今こそ蘇らせて勇気と元気を伝えよう、と、
この作品に挑んだその勇気は立派だと思います。
ちば先生もはじめは(難しいと考えて)乗気でなかったそうですしね。
その姿勢と意気込みは、十分、スクリーンから伝わってきました。
ジャニーズ事務所があんな歪んだ山Pの顔をOKしてるんですしね(笑)。
“実写版の2時間枠”としてはよくやったのではないでしょうか。
こういうジョーも有りなのだと、私はそいう感じています。
ママゴト 1 (ビームコミックス)
どう考えても不幸で愚かで恵まれず悪人でも善人でもない人々が、どん底の境遇にありながらも感じるささやかな、本当にささやかな幸せ。
でもそんなささやかな幸せも、きっと長続きしないんだろうことを予感させる、不安定さ。
『赤い文化住宅の初子』にも共通する、この「切なさ」は相変わらずものすごい勢いで襲ってくるのだけど、それが嫌味なお涙頂戴にならないところが松田作品の凄いところだと思う。
現段階で2011年の私的ナンバーワン。
あしたのジョー2 Blu-ray Disc BOX2 [Blu-ray]
いやーいつかは出るだろうと思っていました。
ついにでますねぇブルーレイ。
思えば小学校5年生のときにテレビで『ジョー2』がはじまり、毎週火曜日はクラス内でジョーの話で盛り上がっていた事を思い出します。
本当に『男ならこんな風に生きなければ』と学生時代からもう37歳になる今の今まで自分に活力を付ける為に年に何度も見返す作品です。
どんな事があってもジョーを思い出せば乗り切る事が出来る。
『もう、すでにポンコツだからとか勝ち目があるとか無いとかそう言う事じゃない。そうやって俺はここまでやって来た。そして..これからもだ!!』
何度聞いても勇気付けられ名セリフですね。
あしたのジョー プレミアム・エディション(2枚組) [DVD]
最初は頭ごなしに名作を実写化すんな!
と思ってたけど、一応は見てから文句言ってやる!と思って映画館へ。
鑑賞後、映画館からの帰り道、あまりの感動に自分の愚かさを呪うのも忘れて泣いていた。
DVD出たら絶対に買うと決めてたんで即予約で!
あしたのジョー スタンダード・エディション [DVD]
漫画アニメ「あしたのジョー」は、講談社の『週刊少年マガジン』に、
1968年(昭和43年)1月1日号(発売日は昭和42年12月15日)から1973年(昭和48年)5月13日号にかけて連載され、
累計発行部数は2000万部を越えました。連載中の社会的反響はすさまじく、
ジョーのライバルである力石徹が死んだ時には東由多加によって実際に葬儀が行われました。
TVアニメは1970年(昭和45年)4月1日〜1971年(昭和46年)9月29日、毎週水曜19時〜19時30分にフジテレビ系で全79話が放映されました。
矢吹丈にあおい輝彦が、丹下段平の声を藤岡重慶が、力石徹を仲村秀生が声優をたんとうしました。
「ジョー、立て立て、立ち上がれー」と、リングサイドからだみ声で叫ぶ丹下段平。
「おっちゃんー、いい加減にしてくれよー」と、投げやりで汚れきった顔でせせら笑うジョーの気だるい声。
闘う筋肉に覆われた情熱の塊のような低くこもる力石の声! 団塊の世代にとっては、未だに懐かしいアニメ漫画でしょうね。
今度の実写映画の「あしたのジョー」の丹下段平の役の香川照之は、迫真の演技でした。アニメに勝るとも劣らない迫力でした。
アニメキャラクターの実写映画化というのは、近頃多くなりました。以前にも木村拓也主演で『SPACE BATTLESHIP ヤマト』の戦闘シーンがありましたが、
あのダサイ映画よりも「あしたのジョー」の拳闘シーンの方が数段よかったです。
矢吹丈役の『山下智久』の腹筋の波打っている筋肉質の体格には吃驚しました。
力石徹役の『伊勢谷友介』が、汗をしぽり減量して疲弊した末に計量するシーンは、骨ばっていながら筋肉に被われていて迫力がありました。
『香川照之』が、映画の宣伝マンになってあちこちの番組に登場して「丹下段平」の歪んだ坊主頭を曝している姿は、凄い俳優だなぁ!とまたビックリです。
日本がまだハングリーな時代、闘うことが生きる条件であった団塊の世代にとっては、寂しくも懐かしい無常の喜びの映画ではないでしょうか?