NOVA 1---書き下ろし日本SFコレクション (河出文庫 お 20-1 書き下ろし日本SFコレクション)
2009年発行。気鋭の書評・翻訳・編集家大森望編集長による文庫本型の(いまのところ)年2回刊?の読み切り日本SF雑誌の第一弾。硬軟取りそろえた収録作品はどれも異様に気合いが入っていて,読み手としてはなんだか贅沢な気分。私は超絶の悪夢作家田中哲弥の「隣人」と,ベタなんだけどきゅんとする藤田雅矢「エンゼルフレンチ」,そしてやはり格が違う故伊藤計劃の絶筆「屍の帝国」がお気に入りです。
天獄と地国 (ハヤカワ文庫JA)
「科学的知見および科学的論理をテーマの主眼に置いたSF作品」、という意味で、この作品は正しくハードSFです。初歩的な物理学の知識がなければ、この作品の世界観を理解することは難しいでしょう。
主人公が世界の謎を解き明かす過程や、敵との戦闘などは、非常にリアリティのある描写を楽しめます。小林泰三の得意なドロドロぐちゃぐちゃな描写もかなりあるので、それが好きな人も満足できるでしょう。
解き明かされない謎も多く、続編を企図しているのかもしれません。
大きな森の小さな密室 (創元推理文庫)
この本は「モザイク事件帳」の文庫版です。
オリジナルを持っている人はご注意下さい。
自分は知らずに「おおっ!!新作が出る!!」と思ってポチりました。
届いてがっかりです。
「モザイク事件帳」自体は面白いのでオススメですが、
既読・所有済みの方はご注意下さい。
人獣細工 (角川ホラー文庫)
人と動物の境目を問う表題作のほか、8歳の少年が憧れの女性(従姉)を吸血鬼から守る為に戦う「吸血狩り」、読んだ者を狂気に陥れる「本」の2編が収録されている。個人的にもっとも印象に残ったのは「本」。どこまでが"本"の中身で、どこからがそうでないのか、その境目がわからない。「吸血狩り」も、あの男を吸血鬼とみなすか否かで物語の持つ意味合いが全く違ってくる。
小林泰三の書く物語は、読み返すたびに新たな発見があり、何度でも楽しめる作品が多い。この本に納められている三作も例外なくそうである。小林泰三作品を読んだことがある方もない方も、この本は是非一度手にとってみるべきだ。
天体の回転について (ハヤカワSFシリーズ・Jコレクション)
う〜ん
サイエンスフィクションの魅力を科学に立脚するトリックに求める者としては、
サイエンス分は、冒頭の表題作以外やや薄めと感じます
フィクションとしても、オチが弱い作品が多いかなと
小林泰三らしいと言えば言えるので、ファンにはお勧めかも