バッド・ボーイ・ライヴ
このアルバムは2004年4月にBLUE MURDER名義で行われたライブを編集し発売されたアルバムである。中身はハッキリ言ってWHITESNAKEやTHIN LIZZYの曲が半数を占めておりBLUEMUDERの曲が聴きたいと言う人にはあまりお勧め出来ない。しかしながら彼のギタープレイとボーカルはやはり味があり、また彼独特のビブラートはまさに炎のビブラートと言ってもいいだろう。JELLYROLLでのビブラート奏法は圧巻だ!
しかしながらやはり残念なのがいくつかあり一つ目として一曲終わるとどんどん音を絞っていく点だ。これをやられてしまうと非常にライブとしての臨場感が薄れてしまう要因となっている。二つ目として上記したようにWHITESNAKE、THIN LIZZYの楽曲が多いにも関わらずギターがサイクス一人なので音の厚みもだいぶ損なわれている感が強い。特に目立つのがギターソロの時にやはりキイボードとベースだけでは音の分厚さをカバーしきれていない。
全体的な総括をすればライブアルバムとしては少々がっかりしてしまったアルバムに仕上がっている。しかしこれからWHITESNAKE、THIN LIZZYがどんな曲なのかを知りたい人にとっては絶好の機会ではないだろうか。それに彼が久しぶりに日本の地で炎のギターを聴かせてくれるのだからファンは必聴だろう。
Blue Murder
'89年の1st.
もう、ブリティッシュHRとして、いや、普遍的なロックとしての超神盤。
いつもかつてジョン・サイクスが在籍したWHITESNAKEの'WHITESNAKE'と比較されるが、曲の質のばらつきがあるそれに対し、ここに収録される9曲の凄まじいクオリティの高さ、スケールのでかさは全てが神が宿った瞬間をHM/HRリスナーに感じさせる正真正銘超名盤である。
彼らがデビューした当時、ジェイク・E・リー、レイ・ギラン率いるBADLANDS,ご存知MR.BIG, スーパースターバンドDAMM YANKEESなど、正に百花繚乱ともいうべきスーパーバンドがほぼ同時にアルバムを出したが、その中でもたった3人で、しかもジョン・サイクスがレスポールだけでなくvoまでとり、トニー・フランクリンがHR界においてフレットレス・ベースの素晴らしさをこれでもかと見せつけ、KING COBRAでくすぶっていたカーマイン・アピスの全盛期ともいえる素晴らしくスケールのでかいドラミング、全てが神がかり的に化学反応し、昇華させていたと言う点で、本当に輝いていたと思います。
確か、大阪厚生年金会館大ホールやったと思うけど、ほんまにこの初来は素晴らしかったなあ。このアルバムもほんまに凄かったけれど、彼らのライブは本当に素晴らしかった。いや、ライブでもジョン・サイクスは'STILL OF THE NIGHT'も含めて完璧に歌いこなせてたからね。'OUT OF LOVE'はほんまに泣ける!
今ではBLUE MURDERも消滅し、ソロ名義となってもTHIN LIZZYかぶれの活動を行って最初はよかったけどだんだんしょぼくなって、あまり報せを聞かなくなったけれど、ジョン・サイクスにはTHIN LIZZY路線ではなく、彼自身が歴史に金字塔を打ち立てたこの1stを超えるような、壮大なHM/HR路線をもう一度復活させて欲しい。この1stが発売されてからもう18年となるが、ここまで壮大なハードロックは未だに出てこないのだから・・・。お前しかおらん。
スクリーミング・ブルー・マーダー~フィルに捧ぐ
1994年リリース、セカンドアルバムリリース後の日本公演の模様を収録・・・ジョンサイクス(G/Key)が着ているTシャツは、フィルライノットのでかい顔が描かれてデザインです。初回盤のおまけには、「ギターピック」「金地のバンドロゴステッカー」がついていました。バンドのラインナップは、マルコメンドーサ(B)・トミーオースティン(Dr)・ニックグリーン(Key)・・・マルコのフレットレスは、トニーフランクリン(B)を十二分にカヴァーしているので、ブルーマーダーの楽曲の魅力を見事に引き出しています。トニー&カーマインアピス(Dr)在籍時のライブ音源なんてのを(演ったの?、笑)、是非とも発掘して欲しいものです!シンリジー・ブルーマーダーの楽曲よりも、「STILL OF THE NIGHT」がとても盛り上がって聴こえるのは、ホワイトスネイクがやはりBIGネームだからだな(笑)・・・DEDICATED TO PHILなんだけどね。久しぶりに聴いたけど、良かった1枚です。
Velvet Underground
ニコもジョン・ケイルもいなくなって、物足りない向きもありますが、その分ルー・リードの歌の魅力満載の3枚目であります。手抜きのようなジャケですが、自然体な感じが、とてもイイ味出してるじゃないですか。
1stのような耽美・快楽指向や文学色、2ndのような、実験色や凶暴性はありませんが、ある意味気楽に聴ける作品でしょう。個人的には、ベルベット名義の作品では一番よく聴いたかもしれません。
でもやはり一番好きなのは、2枚目ですかね。現代音楽とサイケが高い次元できわどく融合した「シスター・レイ」は恐ろしい曲だと思います。