ベスト・クラシック100
このCDに関しては「賛否両論」・・・。レビューを読めば読むほど迷いますね。
スバリ言えば、レビューは個々人の意見までに受け止めておき、自分が欲しければ買いましょう。
多少、曲の短さには物足りなさはあるものの、6枚のCDはテーマごとに分かれており(例えば:元気の出る曲、リラックス出来る曲etc)
聞き所となる部分が収録されています。
この中から全部聞いてみたい!という曲が見つかれば、それはまた発見でありクラッシックへの扉がもう一つ開いたと思えば良いのです!
得か損かを考えず、まず自分の気持ちを優先しましょう。
星4個にしたのは、解説が一枚の紙だけだったので、冊子の方が良かったから♪このお値段では仕方ないのかな・・・。
ジャクリーヌ・デュ・プレ~EMI完全録音集(17枚組)
素晴らしい天才だったことがわかる。しかも比較できる者が他にいない。デュ・プレのチェロには、魂が直接語りかけるような生々しさ、命を削るかのような気迫、魂の奥底に沈殿していくような底知れぬ深みがある。女性だが実にダイナミックな音楽が生き生きと息づいている。作曲家の意図を音楽にするというより、その音楽を自分のものとして歌い切っている。
世評の高いエルガーなどはもちろん素晴らしいが、私が特に感銘を受けたのは、バッハの無伴奏だ。昨今の流れるようなレガートの奏法とは違う。鬼気迫る入魂の演奏と言っていいもので、これは全曲聴いてみたかった。また、ベートーヴェンのソナタ5番の第二楽章などは、魂の調べとも言うべき語り口で深く心に訴えてくる。若さをまるで感じさせない、老成した音楽だ。(惜しむらくは共演者で、オケはまだしも、この天才のひらめきにしっかりと応えきれないピアニストの凡庸さが見えてしまう。オイストラフにとってのオボーリンのような良きパートナーに恵まれなかったのが残念でならない。)
Disk17は小品集だが、本セットの白眉。ここでのピアニスト、ジェラルド・ムーアはさすが。チェロの歌に寄り添うように完全に調和した演奏が素晴らしい。若きデュプレも舌足らずな部分はあれど存分に歌い上げ、チェロの理想の響きが天上から降ってくるかのようだ。