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壁 (新潮文庫)

安部 公房
おすすめ度:★★★★★
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「世界の果ては私自身だ」という物語
おすすめ度 ★★★★★

安部公房さんの(壁)「第一部 S・カルマ氏の犯罪」を読んで、おれも一日考えてみました。

「地球」とか「宇宙」という名前があり、全部ひっくるめて「世界」という名前がありますが、
その内側には、これまたあらゆる名前のついたものが存在し、その実体、または概念が
存在しているということは、誰でもおおよそ認識できると思います。

ですが宇宙の境界(壁)の外側、向こう側には、どんな「世界」がある?のでしょうか。

これまで人間が認識したことのない世界、いわばまだ「名前の無い世界」。
ちゃんとした名前がまだ「無い」ということは、かつて誰も経験したことの「無い」世界、
もっと大袈裟に言うと、まったく概念に「無い」世界で、すなわち誰一人知ることができない世界です。
人間は名前(固有名詞)の「無い」世界で生きたためしがないのであって、「無い」とは喪失した、喪失している、ということ、つまりこの小説の主人公も、ある朝、名前が突然無くなって、自己喪失というか、
そんなめにあうわけです。

自分に名前が無くなったおかげで、砂漠になってしまった主人公の胸について、
哲学者やら法学者やら数学者が出てきて
破天荒な裁判(議論)が繰り広げられます。まさに人類の教師達の退屈しのぎが始まるのです(^^)
いくらみんなが思考を重ねても、人間の認識には限界があって、
主人公も犯罪者のように扱われて戸惑うばかりです。

「自己喪失」=「自己認識でき無い」=「無い」=「無」につながるのであれば、
我こそ認識できる範囲の行き止まり(限界)であって、世界の内側の境界、または世界の(壁)そのもの
という存在と化し「世界の果てとは、私(人間)自身ぢゃないのか」と、
意外な結論に導かれていくのでした、、、

とてもおもしろかった。でも自分なりの解釈が間違ってたらごめんなさい(^^)



わけわからん
おすすめ度 ★★★☆☆

芥川賞受賞作。短編が6つ収録されています。けど、これ難解なのね。自分は読んでもわけわからんかった。万年筆がしゃべるし(笑)
「S.カルマ氏の犯罪」は、朝起きると自分の名前が思い出せない。カフカの『変身』を思い出した。カルマ氏が病院に行って、自分の名前が思い出せず、次々と違う単語を言うくだりは爆笑。他にも言葉遊びをしているようなところがある。ちょっとしたギャグですな。これは。結末は、ジョジョ四部を思い出した。
「魔法のチョーク」は、チョークで書いたものが現実に現れる話。なんかウィングマンを思い出すな。ウィングマン読みたくなった。



ブラックボックス
おすすめ度 ★★★★★

安部公房の代表作の一つ「壁」は、第一部「S・カルマ氏の犯罪」、第二部「バベルの塔の狸」、そして第三部「赤い繭」からなる、あたかも交響曲を思わせる構成の作品である。シュールレアリスムや花田清輝らの「夜の会」、そして自らも接近したコンミュニズムと、安部公房の作品を取り巻く影響土壌は多様で、そんな安部公房の作り出す作品は複雑なブラックボックスのような構造を持っている。常識という名の壁を言語芸術という方法論によって押し広げ、芸術の定義を遥かに高次なものへと引き上げる傑作。



安部公房の入門書です。
おすすめ度 ★★★★★

『壁ーS.カルマ氏の犯罪』は安部文学の入門書であり、芥川賞受賞作です。作品のテーマは「アイデンティティの意味とその喪失(モラトリアム)」で「名刺」とは「社会的な自己」(---としての自己)、「名刺を見ている僕」が「本来的・本質的な自己」です。これが理解できないと、その後の安部作品を理解するのは不可能です。詳しく知りたい方には「モラトリアム人間論の時代」(小此木啓吾)を推薦します。「日本の古本屋」というホームページにて古書として購入可能だと思います。
安部作品全体に共通ですが、レビューを見ると、誤読されている方が目立ちますが、比喩の意味を良く考えて読むか、参考文献を読んで研究する事をお勧めします。そうすれば、必ずや感動ものです。



壁の壁
おすすめ度 ★★★★☆

安部公房がナンセンスにこだわって書いたといわれる作品です。石川淳に褒められたというエピソードもどこかで見ました。
表題作エスカルマ氏の犯罪は実存主義に傾向していた安部公房にとって「存在の証明」というある種矛盾した課題に真正面から向き合った作品ではないでしょうか。
雑多なエピソードゆえに人間の存在不安が浮き彫りにされ、さいごに壁になることにより……、さて、何を意味するのか?
ひとつの疑問はなぜ純粋な存在を表すのに果てしない壁であったのかということです。壁の性質は遮るということですから、しかしサルトルの言葉もあるし、・・・・・・
わからないなあ。



すばらしい
おすすめ度 ★★★★★

非常に素晴らしい一品だと思います 。このアレンジが秀逸の一品から感じたことは、素晴らしい才能の奥深さ、ということです。
こつこつお金を貯めてでも買う価値のある一品だと思います!


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スターシップ・オペレーターズ 安部公房 7月4日に生まれて