映画についての映画おすすめ度
★★★★★
素晴らしい小説が、究極的には小説についての小説であるように、『ユリシーズの瞳』は映画についての映画である。アンゲロプロスの作品には国境をテーマにしたものが多いと言われるが、政治的な意味だけではなく、もっと根源的な意味で断絶することの意味を問うているようにも思う。
そういえば映画のフィルムも、瞬間瞬間を断絶させることによって成り立っている。
この映画でもっとも重要な場面に、現像されていないフィルムが上映されるのだが、その無垢さを「まなざし」によって汚染するところから映画が始まるのだという風にも受け取れるのではないか。「ショット」という用語は、もちろん映画のそれだけではなく、暴力的な意味を持ちうる。自分の無垢を疑ったことのない者は幸せだ。その点ではアンゲロプロスは不幸かもしれない。しかし、彼の苦悩ゆえ、私たちはこんなに素晴らしい映画を手にすることができる。
アンゲロプーロスの旅おすすめ度
★★★★☆
ギリシャ史からバルカン史へ。アンゲロプーロスの旅は重くまだまだ続く。
映像のスペクタクルは相変わらず素晴らしいですが、安易なカタルシスは一切なし。
やっぱ、彼は映画館で観ないと駄目だ。
凄いの一言
おすすめ度 ★★★★★
今回の発売がすごく嬉しいです
。非常に洗練された魅力的なものになっていると思います。
買って良かったと思います。