Release Date
前作「Blood Sample」もこれまで以上にメタルらしさを押し出した作品でしたが、この作品ではさらにそれが推し進められています。その結果、前作に見られた遊び心が再び後退してしまったのは少し残念なところですが、さて楽曲のクオリティまではそう簡単に下げないのがこのバンドです。今回も素晴らしい曲が揃っています。
中盤の大作は数回聴いただけでは曲の全貌を掴むことができない、非常にプログレッシブな曲です。そんな曲でも随所でポップなメロディを聴かせ、ラップまで飛び出すというのはさすがにこのバンド。ただ、ごめんなさい、少し冗長に感じてしまいました。個人的にはこの1曲よりも他の曲、“Let's Puke Together”や“Wish I Could Heal”といった曲の方が楽しめました。特に“Wish I Could Heal”はKORN風重圧リフを中心に展開するメロディアスチューンという、またメチャクチャな名曲です。ちなみに、“Let's Puke Together”はハードポップ+スラッシュといった感じのこれまた面白い1曲です。
Covers All - 25th anniversary Album
新しい曲調や演奏に期待していたのですがその点では残念でした。元曲を知らない物もいくつか有りますが楽しく聞けるのは流石でしょう。アイアンメイデンのCoverはGOOD!! この方向性でアルバム作っても面白いですね。
何やかんや言って好盤です。
Blood Sample
今のところ入手困難でなく、尚且つクオリティが高いということで、是非ともWALTARI入門用に推したい1枚です。様々な音楽の要素をごちゃ混ぜにして、WALTARIならではのポップセンスで味付けする手腕には一点の翳りも無く、さらにこのアルバムでは北欧出身バンドらしい美しいメロディーラインが、彼らのポップセンスと共に全体を支えるもう一本の柱となりました。勿論、今旬のフィンランドメタルを愛好する人は、絶対に買い逃さないで欲しいと思います。
全17曲79分という長丁場ですが、それぞれの楽曲が全く違った色を見せるので、全く飽きることはありません。それどころか、もっともっと欲しい! と思わせてくれます。オープニングを飾る“Helsinki”は北欧流の美しいメロディと演歌の叙情性をミックスさせたような、呆れるほど凄い曲です。メタル的なエッジもこのバンド史上トップクラスで、偏屈なメタルマニアもこれなら満足するに違いありません。
願わくは日本盤が出て欲しいですが……。