売れ続ける理由~一回のお客を一生の顧客にする非常識な経営法
温泉街の旅館向け店舗を個人向けスーパーマーケットに変更して成功した著者が明かす半生記。
どん底からの脱出と地道な努力、顧客からの一言から生まれた1個105円のおはぎ、500以上のメニューがあるお惣菜、パートも含めて50余名のスーパーに数百の企業から研修生がやってくる秘密を社長の目から記しています。
名物のおはぎやお惣菜は奥様が苦労の末に生み出しているようです。しかし、本書の中では該当箇所全て「専務」と呼んでいます。朝1時から仕込みを始める専務への愛情が滲んでいます。
惣菜を売るために惣菜を作る人づくりから始めること、人づくりには顧客に褒めてもらう機会を作ること、品質に妥協はさせないこと、チラシによる安売り合戦は止めたこと、同業者・取引先とも共存共栄すること、どれも大事なことばかりです。
初めて新聞広告を出したのは税金対策だったというのも逆転の発想ですね。その広告も、通常は大きく書くべき何かを掲載することすら最初は渋ったというのですから、度肝を抜かれます。
小売業から学ぶことが多かった一冊です。