Two Steps from the Blues
Bluesシーン最高の歌い手で有りながら、何時の時代も彼はチタリンサーキットの黒人聴衆に向けて歌って来た為、白人ロックシーンから賞賛を浴びる事が無く知名度が低い。悔しい、実に悔しい。けどBoddyさんにしてみれば「関係ねぇぜ」ってな感じなのでしょうが・・・
アナログLP時代の内容に#13/14が追加されジャケットもモノクロより極彩色へと変化した。
彼のキャリアの中でも一番輝いていた時期で内容もバラエティに富んだ名作だ。
全てを包み込む深い包容力漂う#1 穏やかな表情から一転 ハードで力強いシャウトを畳み掛ける#2
弾けたJumpナンバー #4 ゴスペルブルースの傑作 #6はその後の流行で有るゴスペルブルースの先駆けとなった
Muddy Waters/I'm A Manの向こうを張った快演 #8 日本米軍基地への慰問時に覚えてとおぼしき昭和初期歌謡曲的メロディー(りんご追分等)が顔を出す #5/9と聴き手を飽きさせない。
Bobby "Blue" Bland とは良く言った物で優しく囁く様に歌っても、強烈なシャウトを聞かせても彼の心が泣いているのを感じさせる。稀代の名歌手です!
ON THE STREET CORNER 3
使い捨ての音楽が氾濫する中、「本物の音」とは一体なんなのかわかりにくくなってきていると感じている方に是非オススメしたい作品です。
音を創っていく過程において、妥協が一切ない、まさに「職人」の技です。もちろん彼は天才でもあるのでしょうが、それ以上に地道な積み重ね、神経質なこだわりによる努力の人でもあるのです。重ねられた美しいハーモニー、ドゥーワップは鳥肌がたちます。今、流行りの日本の音楽の中では、ここまでプロに徹した作品に出会えることは、皆無といって等しいほどです。
唯一の当人楽曲の「Love can go the distance」はこれだけでも価値のある"超"名曲です。
本物指向の方はもちろん、流行りの消費音楽で満足している方に衝撃を与えてくれるでしょう。
リアルタイムで山下達郎を知らなかった私は、以前、邦楽においては最新の音楽以外興味がなかったものでしたが、山下達郎との出会いによって良質なジャパニーズ・ポップを求めるようになりました。この感動を同じように、若い世代にも味わって欲しいと思います。
リアルタイムで楽しんだ方にはアカペラで改めて山下達郎の素晴らしさを、そして「クリスマス・イブ」しか知らない方には本当の職人音楽を、このアルバムで。
80
エリック・クラプトンや、シェリル・クロウ、ZZTOPのビリー・ギボンズらとの競演盤。BBが仲間たちとおおらかなスクイーズプレイを楽しんでいる姿が目に浮かぶ。BBの代表曲揃いで、彼の入門としても聴きやすいと思われます。
Greatest Hits 1
ブルース・シンガーの頂点、ボビー・ブランドのDuke/Peacock時代ベスト選16曲。1952年から二十年近くの間、150曲以上は吹き込んだと思われるこのレーベルへの作品は傑作がかなり多く、とても16曲に絞るなど不可能な話だ。しかしこういったお手頃価格の一枚ディスク・ベスト盤は入門編として歓迎である。1957年から69年までの代表的有名曲は一応網羅されている。しかし、ここから洩れた傑作はまだまだ数多い。1曲目を飾る傑作Farther Up The Road以前の作品は含まれておらず、I Smell Trouble, It`s My Life Baby, Little Boy Blueなどなど初期のハード・ブルースの絶品を聴かずにはいられない。他にもLast Night, I Don`t Believe, Aint Doin` Too Bad, Save Your Love For Meなどなど、隠れた名曲名唱を挙げるとキリがないのだ。
Mr.ブランドはDuke時代に、筆者の知る限り6枚のオリジナル・アルバム「Here`s The Man」「Two Steps From The Blues」「Call On Me」「Ain`t Nothing You Can Do」「The Soul Of The Man」「Touch Of The Blues」を発表しており、これらは1990年頃、Pヴァインより2in1で3枚のCDになりリリースされたがとっくに廃盤。音源の権利を持つMCAは色々なベスト盤を組んでいるようだが、オリジナルLPのストレートCD化はこれらの内「Two Steps~」のみ。コンプリート集として時代順に2枚組を3セット・リリースして黒人音楽愛好家達を狂喜させたが、それらもあっという間に市場から消えてしまい現在入手困難な状況だ。
アメリカが、ブルースが生んだ最高のスタイリスト。温かく包み込んでくれる優しさとハードなゴスペル・シャウト。これが本物の「歌の力」である。ザ・グレイテストの初期の超有名曲16は基本中の基本だ。
Together Again Live
随所に聞き所はあるものの、寡聞にして知らないだけなのかもしれませんが、この時期のB.B.はものの本で言うところの、人種差別やらなんやらでギターの練習さえ億劫になっていた頃なのでしょうか。どこか空回りの感を拭えず、観客の反応もイマイチのように聞こえます。対称的にボビー・ブランドのほうはホーム・グラウンドさながらのノリを見せています。「80」ではお互いの労わり合うような眼差しを音の向こうに感じたりもしますが、ここではまだまだ二人とも元気よく、それがかえって全体のチグハグな印象につながっているのかもしれません。