ブレードランナー
80年代後半当時は、MAZDA車のCMでBGMとして、
使われていたが、『ブレード・ランナー・エンド・タイトル』の
CDが、発売されるまで、豪く待たされた。
ヴァンゲリスと言うアーティストの才能は、高く評価するものの
80年代のこの人は、拘り過ぎなんだか、凝り性なんだか。
ボードリヤールの「高度消費社会」ってのに、真っ向から対決できるのは、
やっぱり「強烈なオリジナリティを持つ感性」って奴なのか、と
20年以上前は、思ったりした。
2008年現在の、音楽ダウンロードで、購入する形式が
当然の様な「超高度消費社会」では、クリエイテヴィティすら
瞬間消費される感が有る。売る方も買う方も、「取引」自体が
デイ・トレーディングそのもの。私は、タダ同然で、アイディアを
ばら撒いているが、昔風に言うと「蕩尽」って奴かも知れない。
さて、CDのレヴューですが、最初に『ブレード・ランナー・エンドタイトル』。
其の儘、ヴァンゲリスの世界に浸っていると『チャイナ』で
行き成り、銅鑼の音が響く。『ブレード・ランナー・ラヴテーマ』の
甘いムードの余韻の内に、『炎のランナー』で「意識が覚醒」する感じ。
いや、私は、そう言うプログラミング再生をしてたと言う事です。
・・・今は、ランダム再生だったりするが。
昔から、此れを聴く時は、エンドレス再生ですが、「映画を
リアルタイムで見なかった方達にも、上質のBGMとして
お薦め出来ます。」って言うと、ヴァンゲリスは、絶対、怒るだろうなー。
イマージュ3 [トロワ]
Imageシリーズは絶対ハズレなしですね。3を買って改めて実感しました。個人的に2よりもお薦めしたいです。いわゆるいい曲の寄せ集めではなくて、ジャケットから曲順まで、「癒し」をテーマに構成しています。今回も気に入った曲がほとんどでした。
「image3から聴きたいんだけどimage1を買ってなくて、1から集めるのめんどいな」と迷っている人や、「最近オレ癒されて無いなー」って人、「何か無性に今『いい音楽』聴きたいな」っていう人にお薦めです。
ブレードランナー クロニクル [Blu-ray]
1982年の劇場公開から今年2012年で30周年になる。その間、監督自身の手による改編作が2度あったが、
"The Shining"から借用したカットをエンディングに使った、このinternational version版が"本物"だろう。
原作のラストイメージとも合致する。
CGではなく実物?を多用した細密かつ緻密な画作りは、まるで現代のVel'zquez、撮影技法はRembrandtの絵画ようだ。
この作品が与えた影響は計り知れない。
惜しむらくはTrueかDTS-HDであればよかったが、フィルムグレインの質感まで再現するBlu-rayの画質はすばらしく、
Sean Youngの横顔のどこにピントが合っているかまでわかってしまう。
弟であるTony Scottの"The Hunger"もすばらしい映像作品で恐るべき兄弟だ。
テオ・アンゲロプロス全集 DVD-BOX I (旅芸人の記録/狩人/1936年の日々)
今日届きました。3本中まだ「蜂の旅人」しか見ていません。
作品の理解を深める為、私は付属の冊子にあるストーリーを、先を読まないようにしながら、
シーンごとに解釈しつつ見ました。
冒頭から長回しによる秀逸な映像美を見せつけられ、主人公のスピロスを憂い、
所々少女の奔放さに呆れ、苛つきながらも、しかしながら最期まで一瞬も目を離す事なく見終えました。
見終えた後、何といえばいいか分からず小一時間放心します。
テオ・アンゲロプロスの作品はどれも見てもそうなってしまいます。しかしそれが癖にもなっしまっているのです。
オデッセイ~ザ・ベスト・コレクション
もはや70年代から「巨匠」とされてきたヴァンゲリス。
それぞれの時代時代に、ファンが生まれているみたいですね。
最近は「ワールドカップ」や「オリンピック」で、
ヴァンゲリスに接している人達が多いのではないでしょうか。
そんな「最近聴き始めた」人達は、最新のベスト盤ということで、
ご購入されるべきと思います。
「その前からの世代」の人達は、デジタル・リミックス・リマスターとして、
これもまた、ご購入されるべきです。
「壮大なのに大袈裟ではない」
「雄大なのに繊細」
「衝撃的なのに美しい」
ヴァンゲリスの創り出す「音楽」は、
いついかなる時代でも、
「それを聴く人の心までもを豊かにし」
「良質な音楽は、人が生きていく糧にすらなる」
ことを証明する、素晴らしい財産です。
迷う必要は、無いと思います。